マンションやアパートなどの集合住宅住まいの人は20~30代が多く、いわゆるインターネット世代の人達が中心です。進学や就職などを理由に一人暮らしを始める人が、集合住宅で光回線の導入を考えていることでしょう。
初めてマンションに光回線を導入するとき、まず何に注意するべきかをチェックしたい人も多いのではないでしょうか。光回線の工事費用や部屋に引くことで発生するメリット・デメリットなどなど。
そこでこの記事では、マンションの光回線について多くの人が抱えている疑問に回答していきます。これからマンションやアパートなどの集合住宅に光回線の導入を考えている人は、ぜひ最後まで読み進めてください。
【2022年9月最新】おすすめ光回線一覧
光回線 | ![]() |
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月額料金 | 戸建て:5,200円〜 マンション:2,090円〜 |
戸建て:5,270円 マンション:4,400円 |
戸建て:5,610円〜 マンション:4,180円〜 |
戸建て:5,720円 マンション:4,180円 |
戸建て:5,610円 マンション:4,180円 |
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通信速度 | |||||
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マンションに光回線を引く前に確認しておくべきこと
光回線を住居に引くときは、いくつか確認しておくポイントがあります。
- そもそも光回線を引けるのか
- マンションのネット設備は整っているのか
- マンションへの配線方式を理解しているか
- マンションの光回線工事の際のルール
- マンションの通信速度の仕組みについて
マンションに光回線を引いた後になって「思っていたのと違う!」という不満はよく聞かれます。まず、光回線を引くマンション側の環境について理解しておきましょう。
(1)光回線を引ける環境であるか
マンションに光回線を引ける環境かどうかを最初に調査する必要があります。光コラボの場合は一部例外を除き、全国に光ファイバー網が張り巡らされているので特に心配はありません。しかし、一部の地域限定光回線の場合は使えない地域があります。
光回線を申し込んだときに、プロバイダからエリア確認がされます。ここで光回線工事が可能かどうかの判定がされるので、こちらからなにかする必要は特にありません。問題なのは、マンションのオーナー、家主が光回線工事に否定的なケースです。
マンションなどの集合住宅は、建物の所有権が居住者ではなく持ち主にあります。そのため、壁に穴を開けるなどの手を加える必要がある場合、オーナーの許可が必要になります。
光回線工事が難しい場合、入居前に不動産業者から説明があるので、賃貸契約書などで確認をしておきましょう。オーナーが交代したときなども要確認です。
(2)マンションはインターネット設備は完備かそれとも対応か
賃貸物件の条件欄には「インターネット完備」や「インターネット対応」の項目があります。これは建物のネット環境の説明をしていて、既に建物側でネットを用意しているか、ネット設備が済んでいてネット契約は入居者個人で行なえる環境かの判断要素になります。
インターネット完備 | ネット回線、プロバイダは建物側で用意 |
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インターネット対応 | ネット配線設備はあるが別にプロバイダ契約が必要 |
ほとんどの賃貸住宅は、インターネット対応の物件が多いです。なぜなら、前の住民が光回線を利用していた、もしくは新築やリフォームの際にネット配線を既に行っているケースが増えているからです。
インターネット完備は、住民がすぐに使えるように賃貸側で用意しているサービスです。ホテルや旅館などが、インターネット完備の建物に当てはまります。
また、マンションにはNURO 光 for マンションやUCOM光 レジデンスのような、賃貸契約とプロバイダ契約がオールインワンの全戸一括型があります。
① ネット設備がない場合は大家さんから光回線工事の許可が必要
自分が住んでいる賃貸住宅でこのどちらでもない場合、新たに光回線工事をする必要が出てきます。その場合は、自分だけの判断で賃貸住宅に工事を行うことはできません。必ず賃貸住宅の大家さんと相談しましょう。
許可なく無断で工事を行なった場合、トラブルの元となり、最悪のケースでは賠償問題に発展します
(3)マンションの配線方式
光回線をマンションに引き込む際、3種類の接続方式に分けられます。
マンションはVDSL方式での接続配線が基本です。そして配線方式にはそれぞれ、光回線とONUなどの終端装置との接続方法、通信速度の違いがあります。それぞれの違いについて、1Gbpsの光回線を例にして比較説明しましょう。
配線方式 | 伝送路 | 最大通信速度 |
---|---|---|
光配線方式 | 光ファイバーケーブル | ~1Gbps |
VDSL方式 | 光ファイバーケーブル + 電話回線 | ~100Mbps |
LAN配線方式 | 光ファイバーケーブル + LANケーブル | ~1Gbps |
同じ1Gbpsの光回線を使っていても、このように伝送路と通信速度に違いがあります。なぜ通信速度に差が出るのかというと、集合住宅という建物内の住人との共有状況と使用している伝送路が原因だからです。
例えば光配線方式は、建物内に引きこんだ光回線を利用者が占有する配線方式です。仮にマンション内でその光回線を自分だけが利用している場合、独占した状態で利用できます。一方のVDSLとLANケーブルは、それぞれの共有配線設備で建物内の住民とシェアをしなくてはいけません。
光回配線方式での利用者が建物内に複数いれば、分散されるので速度は本来の最大通信速度よりも低下します。しかし、純粋に光ファイバーケーブルのみの接続であるため、ほかの2つよりも通信速度低下の影響は少ないです。
ではなぜ、VDSLだけが極端に最大通信速度が抑えられているのか?それは伝送路に電話回線を使用しているからです。VDSLは光回線を使用しているものの、建物内でシェアしているうえに伝送路が光ファイバーではないメタル線の電話回線を利用していることが理由です。
このように通信速度に差が出る配線方式ですが、自分で選ぶことも一応可能です。対応していない配線方式を採用するには工事が必要になるため、プロバイダが工事可能な建物かどうか、可能だとしても大家さんからの工事の許可を取る必要があります。
VDSLは既存の電話回線を使っているから工事が簡単なため、現在も採用している集合住宅が多いのです。
マンションに光回線を引く時のチェックポイント
基礎知識が身についたところで、マンションの光回線を引く直前からが本番です。実際にマンションで光回線を引くとなれば、工事が必要ですよね。工事が始まったら後には戻れません。
- マンションの光回線工事の費用
- マンションの派遣工事と無派遣工事
工事を始めるのに必要な費用、工事が始まってからの対応など、覚えておくべきことがあります。まずは予習としてチェックしていきましょう。
(1)光回線工事の費用
一般的なマンションの光回線工事にかかる費用は、16,500円~20,000円程です。光コラボの場合、集合住宅の工事はほとんどが16,500円です。一部やNURO光などの独自回線の場合は30,000円を超えるケースもあるので、光回線の申し込みの前には必ず確認しておきましょう。
光回線の工事費用は高額であるため、分割払いが推奨されています。プロバイダや代理店によっては工事費無料やキャッシュバックキャンペーンも行っているので、公式HPなどを要チェックです。
分割払いにする場合、契約途中で解約や支払いが滞ってしまうと残債金を一括で請求されます。分割金分の料金を割引する実質無料キャンペーンも強制終了となるので、利用期間と引き落とし口座の残金確認は忘れずにしておきましょう。

① マンションでも戸建てタイプでの契約は可能
実はマンションでも戸建てタイプでの料金プランを選べます。わざわざ戸建てタイプで契約するメリットは、光配線方式での接続が可能になることです。
先述したように、光配線方式は光ファイバーケーブルを直接引き込む接続配線です。VDSLやLANよりも遥かに安定した通信接続が見込めます。
ただし、プロバイダによっては戸建てプランは階数制限があって選べないケースがあります。アパートなど3階以下の低層住宅なら選べる可能性が高いですが、4階、それ以上の高層マンションではNURO光などの特殊な光回線が必要になります。
どうしてもマンションで戸建てタイプで契約したい場合、プロバイダに建物の確認をしてもらいましょう。なお、戸建てタイプで契約した場合、料金は戸建てプランと同じ額になり、マンションタイプでの運用と同じ保証を受けられるとは限りません。
(2)マンションの派遣工事と無派遣工事
マンションの光回線工事では、ネット設備の有無によって業者が訪問する派遣工事と訪問しない無派遣工事のいずれかになります。
建物や部屋に配線がされていない場合は派遣工事ですが、配線されているならほとんどが無派遣工事になるパターンです。無派遣工事は光コラボからの転用や既存の光回線からの乗り換えの場合、設備をそのまま流用するので工事の必要がありません。
無派遣工事は工事費が極端に安く、手続きだけも電話処理なので一番楽なパターンです。ただし、ルーターやONU機器の接続などは自分で設定する必要があります。
接続設定をおまかせしたい、もしくはコンセントなどに何らかのトラブルがある場合に希望すれば業者が派遣されます。スプリッタやコンセントカバーといった、接続に必要な小物が足りないといったケースだと、後日郵送で無派遣工事になるパターンもあります。
配線方式によっては工事前後の対応が若干異なりますが、基本的に大きく変わるということはありません。建物や部屋の設備によっては、必要な工事が増えるということだけ覚えておきましょう。
マンションで光回線を快適に使うポイント
配線や接続設備に問題がなければ、マンションの光回線は導入までがとても簡単です。導入後の光回線を快適に使うために、ここでは覚えておきたいポイントをいくつか紹介します。
マンションで光回線を快適に使うポイントは「周囲の環境との上手な付き合い方」でもあります。特性を把握して、ストレスを抱えることなく快適な光回線生活を送りましょう。
(1)通信速度は近隣住民の利用状況で変わる
ほとんどのマンションではVDSL方式を採用しているため、前提として最大通信速度は100Mbpsまでと覚えておきましょう。そのうえで、光回線を建物全体でシェアしているということを忘れてはいけません。
ほかの利用者が自分と同じ時間のユーザーであれば、回線に負荷がかかって通信速度も影響を受けやすくなります。WiFiなどと違って電磁波の影響を受けませんが、他人の利用状況に影響を受けやすいのがマンションの光回線です。
ゴールデンタイムを避けたり、時間帯別に空いてる時間を調べておきましょう。
最大通信速度の基準は基地局から建物までの速度
マンションで光回線を利用している人に「最大通信速度が1ギガなのにほとんど速度が出ない!」と、不満を抱えるケースはネット上でよく見られます。
これはVDSL方式の理由でもありますが、最大通信速度の数字は基地局から建物までの距離を指している場合がほとんどです。これは先述の光回線を建物全体でシェアしていることが理由です。
表示通りの数字を出すには、光ファイバーケーブルを自宅にまでつなげる光配線方式が必須ですが、インターネット完備の全戸一括型マンションの場合だと、既存の光回線とは別に工事が必要です。
ある程度通信速度に妥協をしないと費用がかかるので、こだわりがある人以外には光配線方式を無理に導入するのはおすすめしません。
(2)高層階でも光回線は使える
WiFiや一部のネットは高層マンションでは使えないケースがありましたが、現在ではほぼすべての光回線が10階以上の高層マンションでも使用可能です。
共有部分を通って各階に接続しているVDSLやLANはもとより、光配線でも問題なくネットは使えます。かつて8階以上は利用不可だったNURO光も現在では高層階でも利用できます。
光回線のルーターにはWiFi機能がほぼ搭載されていて、こちらのWiFi機能も普通に使えます。固定回線用ルーターからのWiFiは、光回線の電気信号をWiFiに変換しているので、基地局からの無線電波とは別物だからです。
ポケット型wi-fiやホームWiFiなどは電波が届きにくいことに変わりがないので、高層マンション住まいの人は光回線を利用するのがおすすめです。

(3)解約時に撤去工事の必要はほとんどない
マンション退去時や解約時の光回線撤去工事は、自分から申し出ない限りは必須というわけではありません。解約時に撤去工事を求められるのは「プロバイダの解約時の規約」か「オーナーからの要請」がほとんどです。
オーナー、つまり大家さんが撤去工事を求めるケースも多くありません。ネット設備をそのままにしておいても大家さん側には特にデメリットもなく、次に入る人が無派遣工事で格安でネットが使えるメリットがあります。
ただし、大家さんがネット設備を残してくれるのはあくまで厚意です。もしも撤去工事を求められても、大家さん側の権利であることだけは覚えておきましょう。
(4)マンションでおすすめの光回線7選
マンションでおすすめの光回線を6つ紹介します。プロバイダごとにメリットとデメリットを記載するので、新規申し込みや乗り換えを検討している人は参考にしてください。
プロバイダ | メリット | デメリット |
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NURO光 |
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eo光 |
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ドコモ光 |
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ソフトバンク光 |
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auひかり |
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ビッグローブ光 |
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まとめ
マンションの光回線は工事も簡単で、比較的料金も安価に抑えられてるのが魅力です。その一方で、建物内の住民と光回線をシェアする特性を覚えておかないと、通信速度面で不満を感じやすい側面もあります。
これからマンションでの新生活にネットを始める人は、マンションの光回線の特性を把握して上手に付き合っていきましょう。