
「インターネット接続を行なう際にはポケット型Wi-Fiが便利」と聞いたことのある方もいるでしょう。実際、いつでもどこでもインターネットに接続できるポケット型Wi-Fiを愛用する人は少なくありません。
ただ、ポケット型Wi-Fiの利用を検討している方にとって気になるのは、以下の点ではないでしょうか。
「そもそも快適に通信できるのか?」
「セキュリティ面で問題はないのか?」
「いくらで、どのような条件での利用ができるのか?」
「有線(光回線など)との違いはどこにあるのか?」
「いろんな会社のサービスがあるが、具体的に何が違うのか?」
このサイトでは、「ポケット型Wi-Fiとは何か?」という基本から、各社ごとのサービスの比較と選び方、お得に契約するポイントまで、ポケット型Wi-Fi初心者の方に必要な情報を一通りご紹介します。ポケット型Wi-Fiを利用してみようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ポケット型Wi-Fiとは?各社の違いは?
ポケット型Wi-Fiを選ぶ前提として、そもそもどういうもので、どのような種類があるのかを説明します。また、各社のWi-Fiサービスの大まかな特徴も見ておきましょう。
(1)ポケット型Wi-Fiとは
ポケット型Wi-Fiとは、持ち運びができる程度の小型サイズの「無線LANルーター(モバイルルーター)」の通称。要は、どこでもインターネット通信ができるようにするための機器です。
「無線LAN」とは、一定の限られた範囲のネットワーク(ローカルエリアネットワーク=LAN)において無線、つまり電波で通信する方法です。また、「ルーター」とは、ネットワーク同士を中継する機器を指します。
LANは家や学校、会社といった一定範囲内のネットワークであり、それだけでは全世界に広がる情報を取得できません。そこで、いわゆるインターネット通信を行なうには、広範囲のネットワークであるWAN(ワイドエリアネットワーク)に接続する必要があります。
このLANとWANを繋ぐ中継機器がルーターなのです。
つまりポケット型Wi-Fiとは、手元のパソコンやタブレット、スマホをインターネット回線に繋ぎ、それぞれの通信データを混線させないよう交通整理してくれる小さな通信端末だといえます。
また、Wi-Fi(wifi)とは「The Standard for Wireless Fidelity」を意味する言葉で、無線LANの統一規格を指します。以前は通信機器のメーカーごとに規格が異なっており、違うメーカーの機器同士ではインターネット通信ができませんでした。Wi-Fiという統一規格ができたことで、Wi-Fi対応機器であればメーカーを問わず通信できるようになったのです。
なお、「Pocket Wifi」というのは、ソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルが提供するサービスの名称(商標)を指します。それが一般に広まり、類似のサービス全般をポケット型Wi-Fiと呼ぶようになりました。
この記事でも、持ち運び可能な無線LANルーターをポケット型Wi-Fiとして扱います。
(2)ポケット型Wi-Fiの種類
ポケット型Wi-Fiはサービス提供事業者や回線の違いで分けられ、いくつかの種類があります。ここでは「WiMAX」「クラウドSIM」「キャリア系」の区別を見ていきましょう。
①WiMAX
WiMAXとは「Worldwide Interoperability for Microwave Access」を意味する言葉で、無線で接続されるインターネット回線の1つです。データ通信専用であり、音声通話には対応していません。単にWiMAXと言った場合、このWiMAX回線を用いたWifiサービスを意味します。
他方、無線通信サービスとしてのWiMAXには、UQコミュニケーションズ社が提供している「UQ WiMAX」のほか、プロバイダごとに「○○ WiMAX」があります。いずれもWiMAX 2+回線という専用回線を使用している点で通常のポケット型Wi-Fiと区別されますが、無線でインターネット通信ができるという機能は同じです。
WiMAX 2+回線は通常のモバイルルーターで用いられる回線よりも周波数が高く、通信速度が高いとされています。2022年2月にはデータ容量の制限が緩和され、大容量での通信も可能となりました。
②クラウドSIM
クラウドSIMとは次世代型通信技術の名称であり、これを用いたポケット型Wi-Fiを「クラウドWi-Fi」と呼びます。
そもそもSIMとは、特定の端末であることを識別する情報です。スマートフォンにSIMカードを差し込めば、そのスマホの本体が「その持ち主のスマホ」となりますが、これはSIMカードに電話番号などの契約者情報が記録されているからです。
クラウドSIMとは、このSIMカードの情報がインターネットのクラウドサーバー上に記録されており、通信場所に応じて最適な回線のSIMを自動で選択してインターネットに接続してくれるというシステムを指します。
ドコモ、au、ソフトバンクという3大キャリアに対応しており、海外でも使える(ただし別料金が掛かる)などの利点があります。ただ、過去に大規模な通信障害が起きたことから、現在では無制限のプランは廃止され、一定の容量制限が設けられています。
③キャリア系
キャリア系のポケット型Wi-Fiは、ドコモ・au・ソフトバンクの3大キャリアに加え、楽天モバイルが提供しています。これらのポケット型Wi-Fiでは、それぞれの事業者の回線に対応しています。なお、auではWiMAXと同じWiMAX2+回線を使用しているため、特徴もWiMAXと同様です。
キャリア系ではインフラ整備にお金をかけているため、他のポケット型Wi-Fiサービスと比べて月額利用料金や端末料金も高めで、月ごとの通信容量も小さい傾向にありますが、その分、高い通信安定性を誇ります。
楽天モバイルに関しては新規契約の無料キャンペーンや月額料金の安さが特徴となっており、通信速度は低めであるものの、お試しで使うには便利でしょう。
(3)ポケット型Wi-Fiとホームルーターでは何が違う?
持ち運べるポケット型Wi-Fiに対し、自宅などで据え置きとして使うルーターを「ホームルーター」といいます。ホームルーターも回線の開通工事は不要であり、コンセントに機器を繋ぐだけでインターネット通信環境が整うため、機能としてはポケット型Wi-Fiに似ています。
ただ、携帯可能性のほかにも両者には違いがあります。以下、それぞれのメリット・デメリットの確認を通じて、ポケット型Wi-Fiとホームルーターの違いを見ていきましょう。
①ポケット型Wi-Fiのメリット・デメリット
ホームルーターと比較した場合、ポケット型Wi-Fiのメリットは主に2点挙げられます。
- 屋内でも屋外でもインターネット通信ができる
- スマートフォンの月額通信料を安くできる
まず、ポケット型Wi-Fiは持ち運びできるため、対応エリア内であれば自由にインターネット通信ができます。ウェブサイトの閲覧や動画視聴、投資データのチェックなど、リアルタイムでのインターネット利用を出先で行ないたいときには、非常に便利です。
次に、Wi-Fiが使えることで、外出時にもスマホでの通信データ容量を節約できます。これにより、インターネット利用はそのままで、スマホの契約プランを通信容量の少ない安価なプランに変える選択肢が生まれるのです。もちろんポケット型Wi-Fi自体の利用料金はかかりますが、3大キャリアで容量無制限プランに加入すると月額7,000円以上はするところ、ポケット型Wi-Fiの容量無制限プランでは月額4,000円以下で抑えられるため、差し引きでかなりお得といえるでしょう。
これに対し、ポケット型Wi-Fiに特有のデメリットは主に2つあります。
- 複数のユーザーで同時利用がしづらい
- バッテリーの充電が切れると使えなくなる
まず、ポケット型Wi-Fiは1秒あたりのデータの送受信量が定まっているため、接続する端末が増えるほど通信速度が低下します。家の中で家族全員がインターネットを利用する場合など、通信の快適さは犠牲とならざるを得ないでしょう。また、1人で使う場合でもスマホやパソコン、タブレット、ゲーム機など、同時に多くの端末と接続するならポケット型Wi-Fiは不向きです。
次に、ポケット型Wi-Fiは搭載されているバッテリーによって動くため、充電が切れると役に立たなくなります。これは持ち運びできる利便性と表裏一体のデメリットであり、コンセントに繋いで使うホームルーターでは生じない問題です。特にポケット型Wi-Fiはスマホなどよりも充電が切れるのは早いことが多く、場合によっては節電モードなどを駆使しつつ使い所を見極める必要があります。
②ホームルーターのメリット・デメリット
ポケット型Wi-Fiと比べた場合、ホームルーターのメリットは以下の2点です。
- 電波が強いため通信が安定的で複数の端末による接続も可能
- 充電などの必要もなく簡単に使い続けられる
まず、ホームルーターは端末が大きい代わりに発する電波が強いため、無線通信も安定的に行なえます。環境にもよりますが、一戸建ての1階にルーターを置いて2階の自室でインターネット通信をしても支障はないでしょう。加えて、家族それぞれがパソコンやタブレットでインターネット接続をしても通信速度が低下する心配はいりません。
次に、ホームルーターはコンセントにプラグを差し込んで使用するので、ポケット型Wi-Fiと違ってバッテリー切れのリスクもありません。長時間インターネットでの作業などをする場合には、簡単に使い続けられるホームルーターが適しています。
これに対し、ホームルーターのデメリットは以下の通りです。
- 原則として持ち運べない
- ある程度置き場所を考える必要がある
まず、大抵のホームルーターは持ち運んでの使用ができません。サイズとしては持ち運びも不可能ではないのですが、契約時に登録した住所以外での使用が禁じられているためです。万一持ち出して使用した場合は連絡が来て、最悪強制解約となります。ただ、WiMAXのホームルーターに限っては持ち運び可能となっており、このデメリットはありません。
次に、コンセントがなければ使えないのと、屋内でも水回り付近や電波を出す機器のそばには置かないほうがいいなど、設置場所は考える必要があります。快適な通信を行なうには置き場所も工夫したほうがいいでしょう。
以上をまとめると、移動中やコンセントのない場所でインターネット通信をしたいならポケット型Wi-Fi、家・事務所など屋内で使いたい場合や複数人・複数端末で接続をしたい場合はホームルーターと使い分けるのがおすすめです。
おすすめポケット型Wi-Fi比較一覧
ここではおすすめのポケット型Wi-Fiサービスを18社取り上げ、7つの項目で比較しました。ポケット型Wi-Fi選びの参考にしてみてください。
なお、月額料金は各サービスとも容量最大のプランで記載しています。
ポケット型Wi-Fi | 通信速度 | 月額料金 | 契約期間 | データ容量 | 対応エリア | 端末(持ち運び型) | キャンペーン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
カシモWiMAX | 最大2.7Gps | 4,455円~ | 2年・3年 | 無制限 | 全国 | 5G X11 Galaxy 5G |
有(キャッシュバック) |
GMOとくとくBB WiMAX | 最大2.7Gps | 4,688円 | 3年 | 無制限 | 全国 | 5G X11 Galaxy 5G |
有(端末代・月額利用料値引き) |
BIGLOBE WiMAX | 最大2.7Gps | 4,191円 | 1年 | 無制限 | 全国 | 5G X11 Galaxy 5G |
有(利用料値引き・キャッシュバック) |
THE WiFi | 150Mbps | 3,108円 | 2年 | 1~100GB | 全国・海外 | NA01 | 有(利用料4ヵ月無料) |
どこよりもWiFi | 150Mbps | 3,536円 | 2年・縛りなし | 1日4GB | 全国・海外 | JT101 M629 FS030W |
無 |
クラウドWiFi | 150Mbps | 3,972円 | 縛りなし | 20・50・100GB | 全国・海外 | U2s U3 |
無 |
Mugen WiFi | 150Mbps | 3,718円 | 2年・縛りなし | 100GB | 全国・海外 | U3 | 有(30日間お試し・全額返金・キャッシュバック) |
モンスターモバイル | 150Mbps | 3,388円 | 1年・縛りなし | 1~5GB 20~100GB |
全国・海外 | Macaroon SE Macaroon M1 |
有(14日間お試し・月額利用料値引き・キャッシュバック) |
AiR WiFi | 150Mbps | 3,278円 | 1年・縛りなし | 100GB | 全国・海外 | U2s U3 U4 |
無 |
UQ WiMAX | 2.7Gbps | 4,268円 | 縛りなし | 3日10GB 無制限 |
全国 | W06・WX06 W05・WX05 5G X11 Galaxy 5G |
有(キャッシュバック) |
Broad WiMAX | 2.7Gbps | 4,186円 | 2年・3年 | 3日10GB 無制限 |
全国 | 5G X11 Galaxy 5G W06・WX06 |
有(キャッシュバック・乗り換え・初期費用無料など) |
それがだいじWi-Fi | 150Mbps | 2,585円 | 2年 | 30GB 100GB |
全国 | T6 | 有(30日間お試し) |
縛りなしWi-Fi | 150Mbps | 3,980円 | 縛りなし | 10・30・60・90GB | 全国・海外 | H01 U3 |
有(キャッシュバック) |
ドコモ データ端末 | 4.2Gbps | 8,448円 | 2年 | 60GB 無制限 |
全国 | SH-52A SH-52B SH-05L |
有(月額料金値引き) |
ソフトバンクPocket WiFi | 3.0Gbps | 7,238円 | 縛りなし | 無制限 | 全国 | 802ZT A004ZT A101ZT |
有(月額料金値引き) |
ゼウスWiFi | 150Mbps | 3,828円 | 2年・縛りなし | 20・40・100GB | 全国・海外 | H01 | 有(月額料金値引き) |
hi-ho Let’s WiFi | 150Mbps | 4,730円 | 2年 | 1日4GB 1日7GB |
全国・海外 | NA01 U2s |
有(月額料金値引き・事務手数料無料) |
楽天モバイル Rakuten WiFi Pocket | 150Mbps | 3,278円 | 縛りなし | 無制限 5GB |
全国 | Rakuten WiFi Pocket 2B / 2C | 有(月額料金値引き・端末値引き・事務手数料無料) |
人気ポケット型Wi-FiランキングTOP18
ここでは、各ポケット型Wi-Fiサービスの特徴やオススメの理由をランキング形式で紹介します。
(1)カシモWiMAX
株式会社MEモバイルが運営するWiMAXプロバイダで、料金について「業界最安級」を謳うカシモWiMAXは、4GのWiMAX2+回線および au 4GLTE回線に加え、au 5G回線までが利用可能。データ容量は無制限となっています。
カシモWiMAXは、キャッシュバックではなく月々の利用料金を安くするため、受け取り忘れで損をする心配がないのに加え、契約の際に加入を義務付けられるオプションがないのが特徴です。
全機種が5G対応で、持ち運び型と据え置き型、2年プランと3年プランが選べます。シンプルな契約プランで安くWiMAXを使いたい人におすすめです。
\最新端末が無料/
(2)GMOとくとくBB WiMAX
GMOインターネット株式会社が運営するWiMAXプロバイダで、WiMAX2+回線の快適さに加え、豊富な割引特典が嬉しいポケット型Wi-Fiです。
端末代は最新機種でも無料、月額料金値引きのほか、利用エリアの広がるプラスエリアモードも無料となります。月額料金の値引き額は3年間の利用で総額4万5,000円以上。かなり安くなるといえるでしょう。
また、とくとくBBでは最短で申込日に端末の即日発送をしてくれるため、一刻も早くポケット型Wi-Fiを使用したいという人に向いています。
(3)BIGLOBE WiMAX +5G
KDDIのグループ会社であるビッグローブ株式会社が運営するWiMAXプロバイダです。2022年5月時点では5G対応の「BIGLOBE WiMAX +5G」が提供されており、プランはギガ放題プラン(1年)のみと非常にシンプル。期間が短いのでお試しにもピッタリです。
利用可能な回線はWiMAX 2+とau 4G LTE、au 5Gで、下り最高速度は2Gbps以上。データ端末との同時申し込みによるキャッシュバックや月額料金値引きもあります。
auスマホやUQモバイルとのセット利用でスマホ利用料金が月額858~1100円ほど割引となるので、それらのスマホユーザーにおすすめです。
(4)THE WiFi
スマートモバイルコミュニケーションズ株式会社が運営するTHE WiFiは、クラウドSIMを利用した3大キャリア対応のモバイルルーターです。海外でも利用できるタッチパネル式のルーターであるNA01は、接続可能機器の台数が最大10台。最大通信時間が約12時間とバッテリーも長持ちします。
THE WiFiのポイントは100GBでのプランが利用料4ヵ月無料、登録事務手数料1,000円割引などのキャンペーンが開催されていて、実質月額が3,073円と最安級で利用できること(※2022年6月30日まで)。30日間のお試し期間もあるため、初めてポケット型Wi-Fiを利用するという方にも安心です。
\4ヶ月間無料/
(5)どこよりもWiFi
株式会社Wizの運営するどこよりもWiFiは、クラウドSIMを利用したポケット型Wi-Fiサービスです。端末はJT101・M629・FS030Wの3種類で、いずれも最大通信速度は150Mbpsとなっています。
どこよりもWiFiのもっとも大きな特徴は、使った分だけの料金となる従量制プランを採用している点です。用意されているプランには契約期間2年プランと契約期間なしのプランがありますが、2年プランでは割引が利き、月の通信量が5GB以下の場合なら900円で利用できてしまいます。
50GB以上では3,400円となり、他社と比べて大幅に安くなるわけではありませんが、月によって通信量が大きく異なる人におすすめです。なお、1日4GBまでという制限がある点には注意しておきましょう。
\使わない月は安い/
(6)クラウドWiFi
株式会社ニッチカンパニーの運営するクラウドWiFiは、クラウドSIMを利用したポケット型Wi-Fiサービスです。端末は20GB・50GBプランで用いられるU2sと、100GBプランでのU3があり、いずれも最大通信速度は150Mbps。海外利用も可能です。
クラウドWiFiの特徴は契約期間の縛りがないこと。プランは20GB・50GB・100GBの3つがあり、解約違約金は発生しません。ただし、最低利用期間として1ヶ月が定められている点には注意が必要です。
お試しで使ってみたい人や、2~3年までは使い続ける予定のない人におすすめのポケット型Wi-Fiといえるでしょう。
\契約期間縛りなし/
(7)Mugen WiFi
株式会社FREEDiVEの運営するMugen WiFiは、クラウドSIMを利用したポケット型Wi-Fiサービスです。端末はU3で、最大通信速度は150Mbps。海外での利用も可能となっています。
Mugen WiFiの特徴は、月あたり100GBまで無制限で使えることと、2年間を過ぎれば解約料金がかからず端末の返却も要らないことです。さらに、30日間限定でお試し・全額返金キャンペーンを展開しており、解約金や月額料金なしでキャンセルできます(契約期間ありのコースのみ)。
また、端末代が無料で、2年間利用すれば最新端末への無償交換といったサービスも実施しているため、かなり安く利用することが可能です。もっとも、同じ100GBだと別会社のほうが実質料金としては安くなるなどの点に注意を要します。
(8)モンスターモバイル
株式会社NEXTの運営するモンスターモバイルは、クラウドSIMを利用したポケット型Wi-Fiサービスです。端末はMacaroon SEとMacaroon M1の2種類。最大通信速度はいずれも150Mbpsです。SEのほうは海外利用ができませんが、M1では可能となっています。
プランは2種類あり、1日2~5GBを使えるデイリープランと、1月20~100GBを使えるマンスリープランです。
モンスターモバイルの特徴は、プラン変更ができる点にあります。具体的には契約期間なしのプランから1年契約プランへの変更、また通信量アップの変更やチャージが可能です。ライフスタイルやWi-Fiの使用量が変化した場合に、契約内容を合わせられます。特に、プランを変更しなくとも容量チャージができるのは、モンスターモバイルならではといえるでしょう。
(9)AiR WiFi
Mugen WiFiと同様、株式会社FREEDiVEの運営するAiR WiFiは、クラウドSIMを利用したポケット型Wi-Fiサービスです。元々AiR WiFiとMugen WiFiの運営会社は別でしたが、2つの会社がFREEDiVEの傘下として合併したことから、同一の運営となりました。
端末はU2sとU3、U4の3種類。最大通信速度は150Mbpsです。
元々AiR WiFiは業界最安値と契約期間の縛りがないことを売りに業績を伸ばしてきたサービスであり、それは現在でも変わりません。100GBまで制限なしで利用できるほか、30日間のお試し期間中は解約違約金なしで解約できるといったサービスもあります。
契約期間の縛りなしプランでは最安値クラスなので、ポケット型Wi-Fiを安く利用したい人にとっての選択肢となるでしょう。
(10)UQ WiMAX
WiMAXの元締めともいえるUQコミュニケーションズ株式会社が運営するUQ WiMAXは、WiMAX2+回線およびau4GLTE回線、5G回線をそれぞれ利用できるプロバイダです。端末はW06、W05、WX06、WX05、X11、Galaxy 5Gの6種類で、最大通信速度はギガ放題プラスで2.7Gbpsとなっています。
UQ WiMAXの特徴は、やはり抜群のサポート体制です。全国で100を超えるUQスポットという店舗があってサポートを受けられるほか、土日もコールセンターが対応してくれます。また、2022年4月から期間の縛りがなくなり、解約違約金が発生しなくなりました。
ただ、ネックなのが料金の高さ。他のWiMAXプロバイダと比べると、3年間で2~3万円は高く付きます。安心感が欲しいという人を除けば、同じWiMAXでも他のプロバイダを選ぶのがいいかも知れません。
(11)Broad WiMAX(ブロードWiMAX)
株式会社リンクライフの運営するBroad WiMAXは、WiMAX2+回線、au4GLTE回線、5G回線を利用できるプロバイダです。端末は5G X11とGalaxy 5G、W06、そしてWX06の4種類が用意されており、X11では最大通信速度が2.7Gbpsとなります。
Broad WiMAXの特徴は、豊富なキャンペーンです。具体的には初期費用が無料となるWEB割キャンペーン、他社の解約違約金を負担してくれる乗り換えキャンペーン、2台を同時に申し込むことでの5,000円キャッシュバック、auスマホかUQ mobileとのセット割引など、さまざまな形で料金が安くなります。結果、最安値とまではいかないものの、WiMAXでは2番目の安さが実現可能です。
WiMAXのモバイルルーターを候補として考えているなら、選択肢の1つとなります。
(12)それがだいじWi-Fi
ソリューションネットワーク株式会社が運営するそれがだいじWi-Fiは、クラウドSIMを利用したポケット型Wi-Fiサービスです。端末はT6で、最大通信速度は150Mbps。海外利用も可能です。
それがだいじWi-Fiの特徴としては、ポケット型Wi-Fiの容量プランの中では珍しい30GBプランの存在や、端末の無料レンタルサービスが挙げられます。30GBプランは、他社の最小容量とされることの多い20GBでは心許ないけれども50GBまでは使わない、という人に向いています。また、容量が足りなくなっても2・5・10・20GBの単位で追加購入が可能です。
30日間のお試しキャンペーンもあるので、30GBプランの使用感を試してみるのもいいでしょう。
\30日間無料お試し/
(13)縛りなしWi-Fi
株式会社LINKの運営する縛りなしWi-Fiは、その名の通り期間に縛りのない、クラウドSIMを利用したポケット型Wi-Fiサービスです。端末はH01およびU3で、最大通信速度は150Mbps、海外利用も可能となっています。
縛りなしWi-Fiの特徴は、期間に縛りがないことのほか、10・30・60・90GBという4つの容量プランがあることです。データ容量が不足した場合、後からチャージすることもできます。ただ、この4つのプランは契約後の変更が利かず、変えるには一度解約してから契約し直す必要があるため、注意が必要です。
なお、期間限定のキャッシュバックキャンペーンも行なっており、適用されると最大6ヵ月間を対象とするキャッシュバックが受けられます。お試しでポケット型Wi-Fiを利用したい人に向いているでしょう。
\ 違約金・契約期間なし/
(14)ドコモのデータ端末
株式会社NTTドコモの提供によるポケット型Wi-Fiサービスは、docomo回線を利用するものです。端末は5G対応のSH-52AとSH-52B、4GおよびLTE対応のSH-05Lの3種類があります。プランには月7Gまでのライトプランのほか、ギガホプレミアと5Gギガホプレミアが用意されています。
ドコモのデータ端末の大きな特徴は、その通信の速さです。5G対応であれば最大通信速度は4.2Gbpsとなっており、他の5G回線の2倍近い数値といえます。同時接続台数も11~18台と多く、たくさんの機器をネット接続したい人に向いているでしょう。
ただ、キャリア系のポケット型Wi-Fiであるドコモは料金も高額。月額約8,000円と、他社の約2倍です。キャンペーンのドコモ割やセット割はあるものの、なお高いので、あまり検討の優先度は高くありません。
(15)ソフトバンク Pocket WiFi
ソフトバンク株式会社の提供によるポケット型Wi-Fiサービスは、Softbank回線を利用するものです。端末は802ZT、5G対応のA004ZTとA101ZTの3種類。データメリハリ無制限プランとして、容量無制限のプランが用意されています。
ソフトバンクのPocket WiFiでは、やはりキャリア系の特徴として通信の速さが突出しています。A004ZTでは最大通信速度が3.0Gbpsとなっており、これは他の5G回線の1.5倍ほどに当たります。また、A101ZTは同時接続台数が30台と非常に多く、事務所などでの使用も視野に入るでしょう。
ただ、ソフトバンクもまた料金が高く、実質月額は約8,000円と、ドコモと同水準です。ソフトバンクのスマホや光回線との併用でセット割引が利きますが、そうでなければ他のサービスを検討するのがいいでしょう。
(16)ゼウスWiFi
株式会社Human Investmentが運営するゼウスWiFiは、クラウドSIMを利用したポケット型Wi-Fiサービスです。端末はH01で、最大通信速度は150Mbps。海外利用もできます。
ゼウスWiFiの特徴は、20GBの少量プランがキャンペーンも込みで他社より安いところです。その時どきでキャンペーンは異なりますが、2022年5月現在、期間の縛りがあるスタンダードプランで20GBのギガ並盛が6ヵ月分55%オフ、100GBのギガ特盛が10ヵ月分54%オフと、かなりの割引になっています。容量の追加チャージも可能です。
大容量の通信はしないという人であれば、ゼウスWiFiの20GBが月額980円から利用できて便利でしょう。端末レンタルも無料なので、気軽に試せます。
(17)hi-ho Let’s WiFi
松下電器産業を前身に持つ株式会社ハイホーが運営するhi-ho Let’s WiFiは、クラウドSIMを利用したポケット型Wi-Fiサービスです。端末はNA01とU2sで、最大通信速度は150Mbps。海外利用もできます。
hi-ho Let’s WiFiの大きな特徴は、データ容量が日割り計算となっている点です。他社の容量プランのように月単位で50GB、100GBとなっているのではなく、1日7GB(通常プラン)もしくは4GB(ライトプラン)で計算し、通常プランであれば1月210GB相当となります。
月途中で容量を使い切ってしまう心配がなく、端末も無料でもらえるなどコストパフォーマンスの良いサービスといえるでしょう。もっとも、縛りなしプランがない、制限を超えて使うと翌日に通信制限がかかってしまうなどの点に注意が必要です。
(18)楽天モバイル Rakuten WiFi Pocket
楽天グループの楽天モバイル株式会社が運営するRakuten WiFi Pocketは、楽天モバイル回線とau回線を用いるポケット型Wi-Fiサービスです。端末はRakuten WiFi Pocket 2B / 2Cのほか、Aterm MP02LNとAterm MR05LN RWがあります。
Rakuten WiFi Pocketはキャリア系の中では突出して安く、1GBまでなら月額料金は無料、20GBを超えると3,278円となります。楽天モバイル回線のエリア内なら通信容量は完全無制限で、契約時に楽天ポイントがもらえるなどの特典もあり、かなりお得です。
楽天モバイル回線は通信エリアの人口カバー率が90%を超えており、さらに広がりつつあるため、完全無制限のエリアも広範囲といえるでしょう。もっとも、Rakuten WiFi Pocket 2B / 2Cは5Gに対応していないので、速度は他社と比べて速いわけではありません。
楽天のサービスをいろいろと利用している人なら、Rakuten WiFi Pocketがおすすめです。
ポケット型Wi-Fi の選び方・比較ポイント
使いたい状況や求めるサービスによって、ベストなポケット型Wi-Fiは変わってきます。サービスを選ぶ際には自分なりに重視したいポイントで比較し、もっとも相応しいものに決めるといいでしょう。以下では上記の比較表で示した7つの項目を取り上げ、ポケット型Wi-Fiの選び方を説明します。
(1)月額料金
ポケット型Wi-Fiは必ずしも料金に応じて性能が分かれるわけではなく、安ければ悪い、高ければ良いとは言い切れません。求める機能と料金のバランスを考える必要があります。
ただ、ポケット型Wi-Fiのサイトを見ると、どこもそれなりに安さを売りにしており、利用料のみならず手数料や端末本体の料金、キャンペーンなどの要素が加わって、「結局いくらなのか」がわかりにくいのが実情です。
そこで、料金については「実質月額料金」の確認をおすすめします。これは月々の利用料金と各種料金を合算した上でキャンペーンを適用し、契約年月で割った金額です。
実質月額料金は、各社のプランごとで2,000円台~5,000円台となっています(一部キャリア系では6,000円台~8,000円台)。月1,000円程度の違いでも、3年契約では3万6,000円ほどの違いが出てくるため、契約前にチェックしておくといいでしょう。
(2)契約期間
実質的な料金との関係で考えるなら、契約期間も重要な判断要素です。多くのポケット型Wi-Fiサービスでは契約期間があらかじめ定まっています。一般的には2~3年です。
たとえば3年の契約期間だった場合、3年間に満たないうちに解約すると違約金(解約金)が発生してしまいます。この違約金の額は、契約してからどのくらい経過したかによっても変わることが多く、1年未満の解約は高額で、1~2年での解約はそれより安くなり、3年以上で無料となる場合も珍しくありません。また、スマホと同様に更新月の解約は無料となるのが通常です。違約金の額としては、3,000円台~2万円台まで幅があります。
ただ、会社やプロバイダによっては契約期間が1年だったり期間の縛りがなかったりするところもありますので、あらかじめポケット型Wi-Fiを使いたい期間に目処がついていれば、それに合わせてサービスを選ぶといいかも知れません。
(3)データ容量
1日あたり、1月あたりでどのくらいWifiでインターネット通信をできるかに関わるのがデータ容量です。ほとんどのポケット型Wi-Fiにはスマホと同様、一定期間に通信できるデータ容量の上限が設けられています。1~3日もしくは1月あたりの通信量が上限を超えた場合、通信速度が制限され、検索サイトを開くだけでも2分以上かかるなど実用的ではなくなります。
プランによっても異なりますが、データ容量は月に100GBまでとしているサービスが多く、20~90GBのサービスもあります。中には「無制限」を謳うサービスも見られるところ、各社とも実質的な制限を設けていることが多いため、動画やオンラインゲームなどで頻繁に通信をするユーザーは注意しなければなりません。
通常、データ容量が大きいプランほど料金も高くなるので、メールの送受信などでしかインターネットを利用しない人は、データ容量の小さいプランを選ぶことで料金を抑えられます。利用目的に合わせて選ぶといいでしょう。
(4)通信速度
ポケット型Wi-Fiで快適な通信を実現するため、通信速度は重要なポイントです。最新の通信規格である5G対応か、高速通信が可能かをチェックするといいでしょう。
通信速度は一般にGbps・Mbpsという単位で表されます(GbpsはMbpsの約1,000倍)。これは1秒間に送受信できるデータ量を表すもので、数値が大きいほど速い通信を意味します。ウェブサイトを見るなら10Mbps、動画を見るなら50Mbps、複数人でやり取りするオンラインゲームをプレイするなら100~200Mbpsほどが推奨値です。
サービス提供会社は公式サイトなどで通信速度を示していますが、注意しなければならないのは「最大速度」と「平均速度」の違いです。ポケット型Wi-Fiの最大通信速度は150Mbps~2.2Gbpsとされているものの、これはあくまでも理論値であり、一般にポケット型Wi-Fiの実質的な平均通信速度は30~60Mbps程度となっています。
データを送る際の速さを「上り通信速度」、受け取る際の速さを「下り通信速度」といいますが、快適なインターネット通信においては下り速度が重要です。通信速度で選ぶときには下り速度に着目してください。
(5)対応エリア
ポケット型Wi-Fiサービスは、各社とも全国を漏れなくカバーしているわけではなく、通信できるエリアとできないエリアに分かれます。無線通信であるため、電波の届かない場所では使用できないのです。また、単にWi-Fiが使えるかどうかだけでなく、高速通信が期待できる5Gに対応しているか否かもサービス選びのポイントとなるでしょう。
対応エリアはそのポケット型Wi-Fiが用いる回線によって決まります。回線の種類は大きく4つあり、docomo回線・Y!mobile回線・SoftBank回線・WiMAX2+回線です。なお、ここに挙がっていないauでは、基本的にWiMAX2+回線が使用されています。
ご自宅や事務所、移動先などが対応エリア内かどうかは公式サイトから確認可能です。以下にそれぞれのページを挙げておきますので、ポケット型Wi-Fiサービス選びの参考にしてください。なお、auについては、厳密にはWiMAX2+回線のほかLTEという通信規格で通じる地域もあるため、併せて載せておきます。
- docomo回線:https://www.docomo.ne.jp/area/
- Y!mobile回線:https://www.ymobile.jp/area/
- SoftBank回線:https://www.softbank.jp/mobile/network/area/
- WiMAX2+回線:https://www.uqwimax.jp/wimax/area/
au:https://www.au.com/mobile/area/
(6)端末
端末に関しては、回線、性能、プロバイダとの関係で選ぶことになります。使用する回線と端末が同じであれば、通信速度は大きく変わりません。ただ、プロバイダは通信の管理・制御も行なっているため、プロバイダが異なれば通信速度に若干の違いが生じることもあります。
端末は性能の高い最新のものを選ぶのが基本です。とはいえ、デザインやサイズ、機能、使用感なども製品ごとに異なるため、同じ最新の端末の中から選べる場合には、5つのポイントを意識するといいでしょう。すなわち、「端末の機能」「Wi-Fiの通信規格」「通信速度」「同時に接続可能な機器数」「バッテリー持続時間」です。詳しくは「ポケット型Wi-Fiのルーター・機種の選び方」の章で後述します。
なお、安いからといって旧い機種を選ぶとそもそも現行の電波に対応していないなどの問題も生じかねないため、注意してください。
(7)キャンペーン
ポケット型Wi-Fiサービスの提供会社では、契約にあたってさまざまなキャンペーンを展開しています。ただ、キャンペーン内容はシンプルで「利用料の値引き(無料含む)」「キャッシュバック」「違約金の負担」「パソコン・タブレットとのセット値引き」のいずれかであることがほとんど。キャンペーンの適用によって通信速度が左右されることはないので、ほぼ料金の割引絡みのサービスとなります。
上手くキャンペーンの対象となることでお得にポケット型Wi-Fiを利用できるのは確かですが、実質的な料金を考えると大して安くならないケースもあります。新規契約にしても乗り換えにしても、契約期間や月額料金、違約金などを踏まえて検討するようにしましょう。
ポケット型Wi-Fiのルーター・機種の選び方
同じポケット型Wi-Fiサービスにおいて、ルーター・機種にいくつかの選択肢がある場合もあります。具体的な選び方を5つのポイントから見ていきましょう。
(1)端末の機能
モバイルルーターの機種には、単にインターネット接続をしてくれるだけでなく、いくつかの機能を有するものがあります。
たとえばタッチパネル式で操作のしやすいSCR01(WiMAX)、クラウドSIMによって3回線から選んで接続してくれて海外でも使用できるNA01(THE WIFIなど)、約70gとスマホの半分以下の軽さで持ち運びに便利なRakuten WiFi Pocket 2B/2C(楽天モバイル)。ほかにも機種によっては自動Wi-Fiオフ機能やバッテリー節約機能などが搭載されています。
(2)Wi-Fiの通信規格
Wi-FiにはIEEE 802.11という通信規格があり、最大通信速度や周波数帯が異なります。2022年時点で主に通用しているのは第4世代のIEEE 802.11n、第5世代のIEEE 802.11ac、そして第6世代のIEEE 802.11axです。それぞれの最大通信速度と周波数帯は以下の通りとなっています。
- 第4世代 IEEE 802.11n 最大600Mbps 周波数帯:2.4GHz/5GHz
- 第5世代 IEEE 802.11ac 最大6.9Gbps 周波数帯:5GHz
- 第6世代 IEEE 802.11ax 最大9.6Gbps 周波数帯:2.4GHz/5GHz
第6世代の11axであれば、かなりの最大通信速度が出ることがわかります。また、周波数帯については、2.4GHzだとほかの家電と干渉して通信が遅くなるリスクがある反面で障害物には強く、5GHzだとWi-Fiのみで用いられるので家電などとは競合しない反面、障害物に弱く通信が不安定化するリスクがあります。
通信規格はメーカーのウェブサイトなどで確認できるため、快適なインターネット通信を求めるなら11axか、少なくとも11acに対応した機種を選ぶといいでしょう。
(3)通信速度
通信速度は上述の通信規格のほか、ルーターの性能やプロバイダによっても異なります。ただ、最大速度はあくまでも理論値なので、選ぶ際には平均速度や実測値を参考とする必要があるでしょう。
Wi-Fiの実質的な通信速度は30~60Mbps程度となりますが、こうした数値は個人ブログなどのほか、みんなのネット回線速度という通信速度レポートサイトで確認できます。モバイルWi-Fiに関しては以下のページに情報が並んでいるので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
(4)同時接続可能な機器数
ポケット型Wi-Fiは電波を飛ばして通信を行なうため、1つの端末で複数の機器をインターネットに繋げられます。たとえばパソコン、タブレット、スマホ、ゲーム機を同時にネット接続するようなケースです。
ただ、無制限に接続できるわけでなく、そのモバイルルーターによって5~15台程度までとなっています。自宅に設置して家族で使用する場合など、同時接続可能な機器数を超えると接続が解除されてしまいますので、注意して使わなければなりません。
今どきはIoT家電なども用いられ、同時にネットへ接続する機器の数が増えてきています。ルーター・機種を選ぶ際には同時接続可能な機器数が多めなものにしておくと便利かも知れません。
(5)バッテリー持続時間
持ち運びのできるポケット型Wi-Fiは、出先で使われることが多いものです。ただ、バッテリーが切れると動作しなくなるため、どの程度バッテリーが持つかはルーター・機種選びにおいて重要といえます。
そのルーター・機種によって、15時間程度バッテリーが持つものもあれば、5~6時間程度で切れてしまうものもあります。外で長時間使う人の場合、利用のスタイルや時間に応じて連続通信時間が長めのものを選ぶか、充電できるモバイルバッテリーを一緒に持ち歩くかを判断するといいでしょう。また、省エネ・節電機能のついた機種を選ぶのも手です。
ポケット型Wi-Fiでよくある質問
ここではポケット型Wi-Fiを契約する前に理解しておきたい質問・疑問についてまとめました。
(1)完全無制限のポケット型Wi-Fiはある?
結論としては、ありません。
確かに「無制限」を掲げるポケット型Wi-Fiプランは見受けられます。また、WiMAXや楽天回線エリア内の楽天モバイルなどの、完全無制限に近いポケット型Wi-Fiはあります。
ただ、それらのサービスでも、規約に混雑する時間帯の通信速度制限が注記されていたり、5G対応のエリアが限定されていたりといった事実上の制限はあるため「完全」とまではいえないのが実情です。
そもそもポケット型Wi-Fiで通信できるデータ容量に制限があるのは、一部のヘビーユーザーが回線を占拠することで他のユーザーが使えなくなることのないようにするためです。基地局から出せる電波や処理可能な情報に限りがある以上、値上げする(基地局を増やす)ことなく完全無制限にするのは現状無理といっていいでしょう。
一般の通信量上限は、月あたり200GB程度となっています。動画視聴やゲームプレイを常時行なうといった使い方をしない限り、制限にかかる心配はいりません。
(2)ポケット型Wi-Fiの相場(月額)はどのくらい?
ポケット型Wi-Fiの相場は、データ容量プランによっても異なり、概ね以下の通りとなっています。
- 20GB/月 2,000~3,000円
- 100GB/月 3,200~3,900円
- 無制限/月 4,000~8,000円
特にキャリア系のサービスで無制限となれば、5,000~8,000円と高めになります。少し古いのですが、総務省ではモバイルのネット利用時間の推移などをまとめた統計データも公開されており、月に100GB以上のデータ通信をするユーザーはそう多くはないようです。必要な容量に応じてプランを選べば、月額料金を安く抑えられることもあるでしょう。
参考:総務省「平成29年版 情報通信白書」先進ユーザー「ミレニアル世代」の利用動向
(3)量販店とネット(公式サイト)どちらで契約すべき?
ポケット型Wi-Fiを契約する選択肢としては、オフラインでは「家電量販店」「スマホ販売店」、オンラインでは「ネットショップ(代理店)」「公式サイト」が挙げられます。
この中で契約すべきは、ネットショップもしくは公式サイトです。理由は4つあります。
①安い
ネット申し込みでは人件費や実店舗の管理費などのコストが抑えられ、その分料金を下げることができます。3年間の契約とすると、場合によっては4~12万円ほど違いが出ることもあるのです(WiMAXのケース)。
料金については、主に割引・無料サービスやキャッシュバックなどのキャンペーンで安くなります。期間限定のキャンペーンもあるので、比較しながら選ぶといいでしょう。
②手軽
実店舗と違ってわざわざ外へ出向いて他人と顔を合わせる必要がないため安全性も高く、また営業時間などがないので好きな時に申し込みできます。仕事などで時間が取れない人でも契約が容易です。端末は配送で届くので、自宅にいながらにして完結するのもポイントでしょう。
③選択肢が豊富
家電量販店などにショップを出せるのは基本的に大手なので、キャリア系がほとんどです。これに対し、コスト軽減などの点からネットショップしか持たないポケット型Wi-Fiサービス会社もあるため、ネット申し込みのほうが選択肢は豊富といえます。
④サポートが充実
実店舗では対面でサポートを受けられるものの、必ずしも詳しいスタッフに対応してもらえるとは限りません。また、当然ながら営業時間外に質問することも不可能です。この点、公式サイトやネットショップにはコールセンターやチャットサポートがあり、問い合わせへの対応専門のスタッフが応じてくれます。24時間対応のショップも多いので、いつ疑問やトラブルが生じても安心できるのです。
(4)ポケット型Wi-Fiでオンラインゲームは快適にできる?
オンラインゲームの種類にもよります。たとえば複数人で協力して試合をするFPSゲームなどであれば、少なくとも100~200Mbpsは欲しいところで、ポケット型Wi-Fiの平均通信速度では不足するでしょう。このような場合には、光回線の導入を検討しましょう。
しかし、育成ゲームやRPGなどなら必要とされる通信速度は3~10Mbpsほどで足りるので、ポケット型Wi-Fiで十分に対応可能です。
基本的に単独でのプレイがメインとなるオンラインゲームなら、ポケット型Wi-Fiで快適にプレイできます。
まとめ
ポケット型Wi-Fiを契約する際には、料金・速度・対応エリアに応じて最適なものを選ぶことになります。料金についてはキャンペーンも含む実質月額料金を、速度については5Gもしくは6Gに対応した高速通信の可否を、対応エリアについては山間部や海外での使用があるかどうかを考慮するのが重要です。
回線工事などが不要で、いつでもどこでもインターネット通信ができるポケット型Wi-Fiは、上手く使えば非常に便利なものです。当サイトで紹介した選び方などを参考に、ぜひ快適なネットライフを送ってください。