わたしの夫は―あの娘の恋人―

笹野香織（山下リオ）と夫・拓也（泉澤祐希）は仲の良い夫婦ではあるが、夜の生活は途絶えていた…。子どもを作る気のない拓也に苛立ちつつ出社した香織。そこに同期入社の親友、由紀（向里祐香）が現れ、飲みに誘われる。バーで拓也との仲を聞かれ焦る香織。そんな中、由紀のＳＮＳに一瞬だけ「いいね」をつけ、すぐ取り消したアカウントが、拓也の「裏アカ」かもしれないと告げられる。その投稿内容は不倫を匂わせるものだった。香織は愕然とするが、冗談だとしてその場をやりすごす。帰宅後、アカウントを見れば見るほど拓也の「裏アカ」ではないか、という疑念が深まる。絶望感に打ちひしがれる香織。翌朝、アカウントの行動履歴を探り、不倫相手・三島睦美（紺野彩夏）と、その夫である三島恭介（佐伯大地）を特定。後日、大学准教授の三島恭介に会いに行き、2人を別れさせるよう求める。すると、恭介は香織に協力する代わりに予想外の条件を提示する…！

拓也（泉澤祐希）と睦美（紺野彩夏）を別れさせることに協力する代わりに、香織（山下リオ）とのセックスを求めた恭介（佐伯大地）。困惑する香織だったがその条件をのみ、恭介とともに拓也と睦美の「不倫旅行」を尾行する。旅行当日。車で待つ拓也のもとに睦美が駆け寄る。初めて見る睦美の姿を睨む香織。車は湯河原へ到着。楽しそうに手をつないで歩く拓也と睦美。2人はとうとうキス。そこを恭介が冷静に撮影する。香織は涙を必死でこらえる。その後、拓也・睦美と同じ旅館の部屋で食事する香織と恭介。香織はふと涙が止まらなくなる。そんな香織を恭介は抱き寄せる。愛はないまま、とうとう2人は交わる…。翌朝、香織は大浴場で睦美と遭遇する。すぐ出ようとする香織に睦美は気前よく話しかける。その後、話の中でたびたび彼氏（拓也）をちらつかせる睦美を前に冷静さを失う香織。帰京した香織と恭介は最後のキスをして別れる。しかし、それを偶然見ていたのは…。

旅行の帰りに、別の男とキスをする香織（山下リオ）に似た人物を目撃した拓也（泉澤祐希）は不安になる。一通りの証拠収集を終えた香織は気持ちを切り替え、テキパキと仕事をこなす。関係を終えたはずの恭介（佐伯大地）とは何気ないLINEを続けているものの、それによって心を潤わせていることを自覚していた…。帰宅後、拓也とのいつもの日々に戻る。「拓也との日常を守る」ことが使命であるとしつつも、どこか寂しさを感じてしまう香織。夜、寝室で拓也は前回の埋め合わせとして営みに誘うが、戸惑った香織はそれを拒否してしまう。翌朝、香織のデスクに取引先からレストランのチケットが送られる。拓也に誘いのLINEをしようとした矢先、遅くなると連絡が。悩んだ末恭介に連絡し、「作戦会議」と題して会うことに。そこで恭介に拓也を本当に愛しているか詰められた香織は困惑。恭介は関係を続けることを求め、２人はまた…。

カフェにいる由紀（向里祐香）と香織（山下リオ）。香織は心ここにあらずという様子でコーヒーを手に席へ。すると、派手に転んで女性にコーヒーをぶちまけてしまう。その女性はまさかの睦美（紺野彩夏）だった。その後、香織のアパレル会社で着替えた睦美を社員たちがもてはやす。一連の流れを香織は妙に感じる。一方、恭介（佐伯大地）は偽名を名乗り、拓也（泉澤祐希）が勤める不動産会社へ。会話の中で拓也の個人的な事情を引き出していく。その中で、香織を傷つけた拓也に対する怒りがこみ上げる。その頃、香織の職場では睦美のことで大盛り上がり。会社が事務を募集しているので睦美が応募しては、との声があがる。由紀を含め社員全員は前向きである。敵しかいない状況に耐え兼ねた香織はついに大声をあげて拒否。突如重苦しい空気がフロアに流れる。その後、謝罪する香織にしばらく働けないからと語る睦美。理由は妊娠。そして告げられる、衝撃の事実とは……。

拓也（泉澤祐希）の子を妊娠していると告げる睦美（紺野彩夏）。温泉で会った時からすでに香織（山下リオ）が拓也の妻であることは知っていたという。それを聞いて立ち尽くす香織。その後、睦美は恭介（佐伯大地）に離婚届を突き出す。恭介は至って冷静に対応しつつも、香織との契約がある手前、離婚だけは容認しない。帰宅後、香織は荷物をまとめる。不思議に思う拓也だが、とうとう一連の事実が伝えられ愕然とする。謝る彼に目もくれず、涙を流しながら家を出た香織。辿り着いた会社で浴びるように酒を飲む。翌朝、一睡もできなかった香織に明らかに疲労が残る。心配する由紀（向里祐香）は強く早退を促す。帰宅中の香織は、めまいに襲われ倒れかけたところを駆け付けた恭介に支えられる。驚いた香織は思わず抱きつく。その後訪れたビジネスホテルで、恭介は睦美のお腹の子が本当に拓也の子なのか疑問を抱く。半信半疑の香織に根拠となる睦美の過去について話し始める。

ビジネスホテルで香織（山下リオ）に睦美（紺野彩夏）との出会いを語る恭介（佐伯大地）。睦美は元々恭介の生徒だった。ある日、別の准教授・横木（古山憲太郎）に迫られる睦美を助け、一度だけ関係を持った。その後、妊娠を告げられ結婚することになった。横木とも関係を持っていたため実際誰の子かは分からない。睦美に興味のない恭介は気にしなかったが、香織と拓也（泉澤祐希）の関係なら今回の睦美の子が誰の子かハッキリさせる必要があると話す。一方、拓也が1人ぼんやりと佇む部屋にインターホンが鳴る。モニターにいたのは睦美だった。別れたはずの睦美に困る拓也。さらに睦美の妊娠まで明かされ拓也は困り果てる。なんとか追い出しへたれこむ拓也に香織の同期・由紀（向里祐香）から着信が。バーで会った2人。由紀は怒りながら、例の裏アカを見せる。しかし拓也は一切覚えがないと訴える。写真は全て隠し撮り。「裏アカ」は睦美の仕業ではないかと唖然とする。

笹野家でＷ不倫4人による話し合いが始まる。恭介（佐伯大地）が不倫相手・睦美（紺野彩夏）の夫であることを知った拓也（泉澤祐希）は土下座をする。そんな拓也を無言で見つめる香織（山下リオ）と恭介。その関係性に違和感を覚える拓也。そして、拓也が不倫に至った経緯と、睦美のお腹の子が拓也の子とは断定できないことを話す。睦美は拓也にお腹の子のDNA鑑定を受けるよう勧められる。それを拒否し暴れ始めた彼女は恭介の不倫を目撃したと暴露。その浮気相手が香織だと明かされると、香織に掴みかかり、写真立てを割るなど散々暴れた挙句家を出ていく。その後追いかけた拓也に再び説得され、自らの確信もありDNA検査の受診を決める。そして、睦美を連れて自宅に戻った拓也は、香織と恭介に対し、耳を疑う驚愕の提案をする…!?

拓也（泉澤祐希）の提案により、互いの監視のためにDNA鑑定の結果が出るまで4人で共同生活をすることになる。静まり返った空気の中、気まずい「共犯者」同士の生活が始まる。食事も歯磨きも4人は無言。しかし、睦美（紺野彩夏）は香織（山下リオ）を罵り、険悪な雰囲気が漂う。そんな中、妊娠中の睦美は就寝中も嘔吐するなど、つわりを繰り返す。その後、体調不良を理由に休んでいた香織が数日ぶりに出社すると、社員達は大盛り上がり。一方、拓也から事情を聞いていた親友の由紀（向里祐香）は香織の仮病に気づいていた。力になれなかったことを詫びる由紀。香織はそんな由紀を励まし、笑顔を取り戻す。そして、4人の共同生活も慣れてきたところでDNA鑑定の結果が到着。果たして、睦美のお腹の子の父親は本当に拓也なのか…!?

睦美（紺野彩夏）のお腹の子は拓也（泉澤祐希）の子ではなかったことが判明。DNA鑑定の結果が出たため、笹野夫婦と三島夫婦は最後のお別れをする。恭介（佐伯大地）を想い涙を流す香織（山下リオ）。しかし、気持ちを切り替え元の生活に戻ることを選んだ笹野夫婦。気まずさはあるものの、懐かしのレストランでランチをしながら、出会ったころを思い返す2人。当時の香織への想いを話す拓也を見て、彼の温かさを再認識する香織。食後、思い出の場所を巡りながら、当時のエピソードを語り笑いあう。その後、拓也は一連の問題を改めて謝罪し、やり直そうと告げる。香織は受け入れ、手をつなぐ。一方、恭介の研究室には拓也の同僚、畑下（猪野広樹）が現れる。睦美の子の父親は畑下だった…。そんな中、拓也に着信がありその場を離れる。香織が先に車に戻ろうとすると、何者かが待ち伏せしていた。そしてナイフを香織に突きつけ…。

駐車場でナイフを香織（山下リオ）に突きつけた睦美（紺野彩夏）は、廃ビルへと香織を連行。幸せを邪魔する存在が煩わしい睦美は、椅子に縛り付けた香織を前にコンロで油を熱し始める。火傷した顔でも愛されるか試すという。香織は時間稼ぎとSOSのため、どうにか携帯を取り出し、迷いつつも拓也（泉澤祐希）ではなく恭介（佐伯大地）に電話をかける。そして睦美にそれとなく自分の場所が分かるような話をする。しびれを切らした睦美は香織を蹴り飛ばし、その叫びを聞いた拓也が現地にたどり着く。睦美の無謀さにショックを受ける拓也だが、その間にも油は煮立つ。そして睦美の暴走がエスカレートしたところに、恭介と畑下（猪野広樹）が現れる。畑下が睦美の子の父親であることを告げると、睦美は叫び狂い、とうとう油を香織にかけようとする。

香織（山下リオ）と拓也（泉澤祐希）は、仲の良い夫婦。それでも、香織は一つだけ、旦那に対して不満に思うことがあった―――。それは、不妊治療中にも関わらず、夜の生活が「ボイコット」状態にあること…。香織は、この事実だけは、周囲にバレないように明るく取り繕ってきた。しかし―――そんなある日、同期入社の親友・由紀（向里祐香）から、旦那の”裏アカ”らしき存在を知らされる。この日から香織の穏やかな日常は、崩壊していく―――。

香織（山下リオ）との関係を危惧した由紀（向里祐香）に突き落とされ、意識不明の重体に陥った恭介（佐伯大地）。しかし、入院先にて意識が回復。香織は涙を流し安堵する。経緯を知った恭介は、由紀は4人が招いた事件の被害者かもしれないと語る。そこに睦美（紺野彩夏）が現れ、2人きりで話すことに。恭介はこれまでの冷淡な態度について謝罪する。うれしくも切ない睦美。その後、香織は会社へ赴き、不貞から始まった一連の件を謝罪し退職を宣言。社員たちは今までの羨望とは真逆の、汚物を見るような眼差しを去りゆく香織に向ける。仕事を終えた拓也（泉澤祐希）。帰宅すると覚悟を決めた表情の香織が。向かい合った2人はとうとう離婚届に筆を入れる。時は移り一年後。睦美は女の子を出産し、離婚した恭介の仕送りを受けながらシングルマザーとして子育てに励む。一方の恭介は小学校で教鞭をとっている。香織と恭介、二人が選んだ道とは…!?