親友は悪女

高校時代、堀江真奈(清水くるみ)のたった一人の親友は高遠妃乃(山谷花純)だった。10年の歳月が過ぎ、真奈は東宮商事の営業二課で正社員の営業事務として働き、東雲課長(淵上泰史)や同期の橋井翼(矢野聖人)のサポートをして忙しい毎日を送っていた。橋井はちょっと気になる存在ではあったが、奥手な真奈は特に進展を求めてはいなかった。ある日、同じ高校の同級生で派遣社員の本田愛(石川瑠華)が、おつかいに出かけ、駅前で高遠妃乃を見かけたという。妃乃は高校卒業以来、音信不通になっていた。終業後、本田が言っていた辺りで妃乃を探す真奈は、妃乃と10年ぶりに再会を果たす。昔よく行ったカフェで話す二人。聞けば、妃乃は離婚したばかりだと言う。真奈は行くところのない妃乃を家に連れて帰り、しばらく一緒に暮らすことにするのだが…。

離婚して行くところのない妃乃(山谷花純)と部屋が見つかるまで一緒に暮らすことにした真奈(清水くるみ)は、元気のない妃乃を会社の有志のバーベキューに誘う。幹事の橋井(矢野聖人)に相談し、妃乃の参加を快諾してもらった真奈は、たまたま耳にした橋井の好みに合わせたワンピースを新調するかどうか悩んでいた。バーベキュー当日、悩んだ末に購入した白いワンピースを鏡であててみていると、起きて来た妃乃に「男性の好みに合わせるなんて馬鹿げてる。真奈は真奈らしく今のままでいて欲しい」と言われ、いつもの恰好で出かける真奈だったが、遅れて来た妃乃が…。

真奈と妃乃の共同生活は続いていた。晩御飯を食べながら、橋井(矢野聖人)のことをもっと知るためにSNSを活用した方がいいと妃乃(山谷花純)にアドバイスされた真奈(清水くるみ)は、妃乃に言われるがままにスマホを渡し、設定してもらう。妃乃は、バーベキューの時にちゃっかり橋井と連絡先を交換していた。次の日、朝から東雲課長(淵上泰史)について外回りのため、スーツで出かけた真奈は、お弁当を忘れてしまう。それに気づいた妃乃は届けるため、真奈の会社までやって来る。電話をかけ橋井を呼び出した妃乃は、お弁当を渡しながら、思いがけないことを言い出し…。

東雲課長(淵上泰史)の計らいで打上げをすることになった真奈(清水くるみ)と橋井(矢野聖人)は、小関（濱正悟)と3人で橋井の行きつけのスポーツバーにやって来るが、なぜか妃乃(山谷花純)が待ち構えていた。真奈は打上げで遅くなると連絡したが、妃乃を呼んだ覚えはなかった。4人で飲み始めたものの、妃乃は驚きの言動を繰り返す。真奈は戸惑いを隠せなかったがなすすべもなかった。小関は先に寝てしまい、いつものように平気な顔で飲んでいた妃乃だったが、トイレから戻ってきたら様子がおかしい。ひどく酔っ払っており、仕方なく橋井がおぶって真奈の家まで連れて帰るのだが…。

橋井(矢野聖人)と付き合うことになった妃乃(山谷花純)は、真奈(清水くるみ)の家を出て、橋井のもとへ去っていった。職場では、真奈はこれまで通り、橋井の補佐の仕事をこなそうとするのだが、橋井から断られてしまう。冷たい橋井に妃乃をよろしく頼むと言う真奈。真奈が振られたことは二課の人間の知るところとなり、ざわつく様子を見ていた課長の東雲(淵上泰史)は、真奈のことを気にかけていた。それでも橋井のため頼まれもしない資料作りをして残業中の真奈に思わず、「振られたのに健気だな」と言ってしまった東雲は、後悔していた。後日、仕事帰りの真奈に「少し話せないか」と声をかけた東雲は…。

出がけに真奈(清水くるみ)に仕事を頼もうとした東雲(淵上泰史)だったが、切羽詰まった柴山(酒井大成)が真奈に依頼する様子を見てあきらめ、本田(石川瑠華)に頼むことに。ところが、手伝ってもらおうとした亜美(花山瑞貴)は、推しのライブのため早上がりしてしまい、頼まれた時間までに終わらず焦る本田。そこへ、真奈がさりげなく助け舟を出し、なんとか間に合わせることができた。本田から話を聞き、戻ってきた東雲は、帰社途中の真奈に会い、お礼に真奈がよく行くカフェに行くことに。あろうことか、そのカフェに妃乃(山谷花純)が現れて…。

営業二課の新しいスタッフとして紹介されたのは妃乃(山谷花純)だった。驚く真奈(清水くるみ)だったが、妃乃は偶然を装う。橋井(矢野聖人)と別れ、1人になったから働かなければならないと言う妃乃に、真奈は社内を案内し、営業事務の仕事を教える。ところが、真奈が総務の用事から戻ってきたら、妃乃が、禁止したお茶入れを行っていた。真奈は注意するが、間に入った本田(石川瑠華)が怒り、妃乃が泣き出したため、課内は騒然とする。その場に東雲(淵上泰史)と橋井はいなかった。その夜、久しぶりに東雲とデートして楽しいひと時を過ごす真奈。しかし、その様子を妃乃はスパイアプリを使って監視していて…。

真奈(清水くるみ)が異動させられた未来化推進プロジェクト室の仕事は、未来化とは名ばかりの倉庫のような部屋で大量の資料整理をすることだった。それは、前川常務(イジリー岡田)を利用した妃乃(山谷花純)の企みだった。突然、真奈がいなくなったせいで営業二課の業務は滞り、混乱する。憤る本田(石川瑠華)は、東雲(淵上泰史)を狙っている妃乃の企みにいち早く気づき妃乃に詰め寄るが、「負け犬」と一蹴される。真奈に忠告する本田だったが、真奈は、激務の東雲の体調を心配し、みんなが困るから妃乃を助けてほしいと言う。本田は一途な真奈に呆れつつも…。

前の晩、電話で同じ星を見ながら、東雲(淵上泰史)と会う約束をした真奈(清水くるみ)は、少しおしゃれして出勤する。本田(石川瑠華)に褒められ、嬉しい真奈。ところがその話を盗聴していた妃乃(山谷花純)は、前川常務(イジリー岡田)に頼んで、東雲を急遽、大阪出張へ同行させるように仕向けた。東雲がいなくなり、後を任された橋井(矢野聖人)。営業二課では小関(濱正悟)らにミスが続出していた。そんな中、妃乃がイヤホンで何かを聞き始めたのに気づいた橋井は、注意をする。一方、東雲から電話をもらった真奈だったが、話の途中で電源が落ちてしまい…。

忙しい真奈(清水くるみ)と東雲(淵上泰史)は出勤前にカフェで会うことにした。そこで真奈は東雲にマフラーをプレゼントする。マフラーをして仲良く出社する二人を通りかかった小関(濱正悟)と柴山(酒井大成)が冷やかす。その様子を悔しそうに見つめる妃乃(山谷花純)。一方、東雲と一緒に前川常務(イジリー岡田)に呼び出された橋井(矢野聖人)は、ハラスメントの訴えがあったことを聞かされる。あろうことか、社内で橋井が妃乃のことを怒鳴った音声を妃乃が録音していたのだ。橋井は処分が決まるまで謹慎となった。橋井は東雲に妃乃のことを忠告して退社、妃乃のことを尾行しようとするのだが…。

妃乃(山谷花純)が住んでいるホテルに手作りの誕生日ケーキを届けに行った真奈(清水くるみ)は、そこに一晩、東雲(淵上泰史)がいたことを知り、ショックを受けてその場を去った。真奈のマンションにやって来た東雲は、ずっとそこで待っていた橋井(矢野聖人)に激しく問い詰められる。真奈に会って別れを告げる東雲。翌日、会社にやって来た真奈を待ち構えていた妃乃は謝ろうとするが、真奈は、その必要はない、なぜなら東雲とは別れるつもりはないからと言い放つのだった。いつものように東雲にお弁当を持ってくる真奈。苛立つ妃乃はついに…

妃乃(山谷花純)の悪事がすべて明らかになり、未来化推進プロジェクト室に異動させられていた真奈(清水くるみ)も、謹慎中だった橋井(矢野聖人)も戻ってきた。喜んで迎える営業二課の面々。あの騒ぎ以来、妃乃の行方はわからなくなっており、連絡もとれなくなっていた。真奈は、別れ際に見せた妃乃の寂しそうな目が忘れられず、東雲(淵上泰史)とのデート中もスマホばかり気にしていた。一方、妃乃は、金づるの前川常務を失い、行くところもなく、パパ活を再開するしかなくなっていた。キャリーバッグを転がして男との待ち合わせ場所に現れる妃乃だったが…。