BARレモン・ハート

BARレモン・ハートの棚に、珍しい酒“ポール・ジロー”があった。普段はブランデーを飲まない常連客のメガネさんでさえ切望するほど、秀逸な酒らしい。しかし、マスターはそれを開けることを拒み…。

常連客の松ちゃんは、いつにも増して絶好調。何と、お世話になった美人の女医と、BARレモン・ハートでデートをすることになったという。しかし、酒オンチの松ちゃんは、デートで彼女にどんな酒を薦めるか悩み…。

常連客の青木さんが、長年想い続けたキャリアウーマン・京子にプロポーズするが、軽く断られてしまう。しかし、青木さんはさらに猛アタックし、その気持ちに心が揺れた京子は、青木さんに“ある課題”を出す。

深夜族のメガネさんが珍しく開店と同時に店に現れた夜。BARレモン・ハートに騒がしい若者カップルが、乱暴に扉を開けて入ってくる。トシちゃんは、連れのナオミにBARの心得やバーボンのうんちくを得々と語り…。

松ちゃんが取材で出会った1人の女性・美子を連れBARレモン・ハートへやってくる。すると、何やら最初から松ちゃんらしからぬいいムード。そんななか、美子は“ある酒”を松ちゃんに求めてオーダーし…。

マスターが“シャンパン”を用意して女性を待っていた。若い女性だと聞いた松ちゃんは興味を持つが、マスターもその女性には会ったことがないという。さかのぼること5年前、北原総合病院の院長は定位置に座り…。

カウンターの2人の中年男、知り合いのようだが無言のまま酒を飲み続けている。1人が帰り、残った野口が2人の付き合いをマスターに語りだす。そのエピソードを聞いたマスターは、ある酒を野口に薦める。

松ちゃんが姪っ子・ユミ子から、離婚した元夫から突然“変なボトルに入ったお酒”が送られてきたと相談される。そのタカの形をしたボトルの酒が意味するところを、メガネさんやマスターと共に推測するが…。

松ちゃんは、大学の同級生・美奈子から仕事の悩みを打ち明けられる。取引先の社長の接待があるのだが、その社長は気難しい性格でお酒の好みも聞いても教えてくれないという。そこでマスターに相談するのだが…。

霧深い夜、びしょ濡れの若い男性・出口がBARレモン・ハートに松ちゃんを訪ねてくる。松ちゃんが店に遅れて現れると、出口は泣きながら「殺してください!」と訴える。メガネさんはそのやり取りを見てあきれ…。

松ちゃんがへそまがりな叔父さんとBARレモン・ハートへやってくることに。しかし、約束の時間に2人は現れない。その時、松ちゃんが顔を出し、この叔父さんは正面から入るような普通なことはしたくないと言い…。

4人組の中年の男客がBARレモン・ハートに入ってきた。4人は“コロンボの会”で、強い酒を飲みながら妻の不満を言いあって憂さを晴らすという。そんな彼らは、みな「レモンハート」というラム酒を注文し…。

BARレモン・ハートの店の隅で、元新聞記者・牧田信吾は電話で息子と口論をする。仕事人間の牧田は日頃から息子とうまくいっていないらしく、マスターは牧田親子の仲を取り持とうと、ある提案をする。

松ちゃんは客・森田の職業を当てようと意気込むが、マスターに負けてしまう。しかも、ツケの支払いを求められる。数日後、ツケを懸けた勝負を挑む名案を思いついたらしい松ちゃんが女性を2人も連れてやってきて…。

松ちゃんがBARレモン・ハートに連れてきた客は、「ママに聞いてから…」を連呼する超マザコン男だった。そんな彼にぴったりだとマスターが取り出したボトルは、何と哺乳瓶で…。(「サケ・ア・ラ・カルト」)

マスターとメガネさんは1年前の停電の夜を思い出していた。停電中に男が現れ、一瞬ロウソクの火が消え、つけ直すと男の姿は消えていた。男は売れない小説家で、その5日も前に海で死んでいたらしく…。

客の二郎は、何度もため息をつきながら「神様って不公平」と落胆する。話を聞いていたメガネさんは我慢しきれなくなり、二郎をいさめ始める。どうやらメガネさんは子供の頃から彼を知っているらしく…。

“バーボン小僧”トシちゃんが調子に乗ってスコッチ通なことを語りだし、今度は“スコッチ小僧”と呼ばれる。とその時、トシちゃんの彼女・ナオミが男を連れて来店し、2人で勝負して勝った方と付き合う、と言い…。

常連客の山村が娘・友子を連れてやってくる。今夜は嫁にいく友子と最後の父娘水入らずの酒。しかし、婚約者からの電話で友子は店を出ていくことに。すると、1人になった山村は、酒をあおり始め…。

男女が別れ話をし、女が去り、男が追いかける。その男・佐野は妻に先立たれ、半年ほど前に彼女にプロポーズ。マスターは彼女・ミドリが残したカクテルを見ながら、佐野が初めて彼女を連れてきた時のことを思い出す。

社長の丸山は高級クラブに行こうとするが、部下・斎藤に無理やりBARレモン・ハートに連れてこられる。ママのいないBARに不服そうな社長は高級な酒を頼もうとするのだが、斎藤に止められてしまい…。

松ちゃんが居酒屋で知り合った鶴二郎から聞いた話によると、アンポンタンとは飲んでも減らない夢のような酒なのだそうだ。その秘密を解いてもらおうと、鶴二郎がBARレモン・ハートにやってきて…。

松ちゃんは、小栗芙美から預かったネコをマスターに預けにくる。名はタウザーといい、もともとの飼い主は元警察官の芙美の父で、退官後も別の仕事をし続けている。マスターはその話とネコの名に興味を持ち…。

作家・ブラック黒田を連れて松ちゃんがやってくる。黒田はやたらと毒を吐いていたが、マスターが出した好みの黒い酒に機嫌を直していく。その時、もめ事の原因の相手・ホワイト白井と名乗る男がやってきて…。

松ちゃんがデート相手を待っている。デート相手の陰のニックネームは“魔性の女”。彼女は飲むと必ず「私の部屋で朝まで付き合って」と言うらしい。すると、現れたのは清潔感のある美女・みどりで…。

メガネさんを訪ねてこわもての男がやってくる。男は高田と名乗り、メガネさんとは腐れ縁だという。昔の2人は深い仲だったらしく、思い出を懐かしむ高田は、メガネさんとのある約束のためにやってきたようで…。

松ちゃんによれば、熟年離婚はほとんどが妻から切り出されるのだそう。話題が財産分与、慰謝料などになってきたその時、初老の紳士・矢島公作がにじり寄ってくる。彼は身に覚えがあり、心配になったのだと言う。

鉄男の営む店は十割そばのこだわり店。しかし、息子・タケシは自身が作った今どきのそばをBARレモン・ハートの常連客に振る舞い、感想を聞いていた。その時、酔った鉄男が現れ、その場は険悪なムードに…。

松ちゃんは幼馴染みの美智子と酒を飲んでいた。すると、美智子は広島へ旅行に行くので、何か珍しい酒を買ってくると約束する。後日、美智子がお土産の酒を持って現れるが、彼女はマスターから渡してほしいと頼み…。

BARレモン・ハートに1人の美女がやってきて、松ちゃんは一目惚れする。翌日、再びやってきた彼女は恵子と名乗り、松ちゃんと楽しくウイスキーを飲んでいたが、メガネさんのひと言で恵子は店を飛び出そうとし…。

閉店後のBARレモン・ハートに怪しげな2人の男が侵入する。すると、忘れ物をして戻ってきたマスターが縛り上げられてしまう。マスターは酒がわからない2人に、縄を解いてくれたらおいしい水割りを作ると言うが…。

小沢部長の異動に驚いた寺田は送別会をやりましょうと意気込むが、部長からは断られてしまう。送別会当日、こないと言っていた小沢部長が寺田を心配して顔を見せる。そして、去り際に1本のボトルを寺田に贈る。

酒を注文する以外話さない男が去った後、沢村という新聞記者がやってきて検事のことを教えてほしいとマスターに頼む。沢村は先ほどの男が汚職事件の担当検事・安藤で、しかもその検事が突然辞職したといい…。

うまいジン・トニックを求め、BARレモン・ハートに老紳士がやってきた。だが、マスターはその老紳士を満足させることはできなかった。すると、マスターはその老紳士に3日後のリベンジをお願いする。

BARレモン・ハートに松ちゃんが大学時代の友人2人を連れてやってきた。しばらくすると、3人は学生時代に誰が一番ソムリエに向いているのか勝負したことを思い出し、それぞれが勝ったと主張し始め…。

人気雑誌のライターに抜擢されたのに浮かない顔の松ちゃん。その雑誌の女編集長は“オニタカ”と呼ばれるほど恐ろしい人で、ネタの駄目出しを食らったらしい。そこへ、オニタカが最終宣告を下しにやってきて…。

谷川三郎の画を見て気に入った松ちゃんは、編集長を紹介しようと提案する。喜ぶ谷川だが、約束の日、奥さんの具合が急に悪くなり谷川は現れなかった。閉店間際にやってきた谷川に、マスターは1本の酒を出し…。

松ちゃんの知り合いの編集者・船戸は、忘れっぽい。その夜も妻の誕生日を忘れてしまい、誕生日の翌日に“とあるシャンパン”で妻の機嫌を直そうと画策する。しかも、シャンパンのうんちくを自身で説明することに…。