今夜はコの字で シーズン2

あれから2年の月日が流れた。広告代理店「シューエイプロジェクト」で働く吉岡としのり(浅香航大)は社長の角倉(堀部圭亮)からマネージャー昇進を告げられる。憧れの恵子先輩(中村ゆり)はイタリアに行ったきりで、SNSを通じてフードコーディネーターとしての活躍は知れたが、吉岡は連絡を取れずにいた。タッチパネルの店でひとり寂しくビールを飲む吉岡は、恵子から預かったノートを取り出す。そこには恵子が全国を飲み歩いて書き留めたコの字酒場の数々が書かれていた。翌日、後輩の山田(小園凌央)から、蕨での打合せに代理出席を頼まれた吉岡は、恵子のノートにあった蕨のコの字を思い出し、二つ返事で承諾する。打合せが終わり、勇んで「喜よし」の暖簾をくぐる吉岡。そこには懐かしいコの字カウンターが吉岡のことを待っていた…。

都内に新しいキッチンスタジオを構え、精力的に働く恵子（中村ゆり）。アシスタントのミキ（藤井武美）も復活した。レシピ本にも力を入れたい恵子はコンセプトを決めあぐねていた。そんな恵子を見たミキは、なにかヒントになればと、地元のコの字酒場に恵子を誘う。そこは、わずか五坪の小さな立ち飲みのコの字だった。元々仲買をやっていたというマスター自家製のカラスミとフグ刺しを注文し、日本酒の冷やに舌鼓を打つ二人。そして……。

新しいプロジェクトを受注できたのに元気のない山田(小園凌央)。ランチの爆盛ラム丼にも手をつけない。聞けば洋子(北香那)と連絡が取れないのだと言う。どうやら就活がうまくいっていないようだ。二人でコの字に誘おうという山田の提案に、吉岡(浅香航大)は、元気が出るコの字を恵子(中村ゆり)に尋ねようと電話するも、恵子はテレビのインタビュー中。やっと繋がった恵子(中村ゆり)から金町の「大力酒蔵」を教えてもらった吉岡は3人で待ち合わせ。就活帰りの洋子はリクルートスーツで現れる。思ったより元気そうだ。コの字カウンターに小さなコンロが並ぶ店内に故郷大阪の焼肉屋さんみたいだと喜ぶ洋子。親切な常連客が次々とオススメを教えてくれ、すっかり馴染んでいる洋子を見て一安心の吉岡。そして…。

シューエイプロジェクトに池ハルカ(優希美青)という新入社員が入った。早速、角倉社長(堀部圭亮)から教育係を命じられた吉岡(浅香航大)は、挨拶するハルカの態度に、優秀だけどちょっとトゲがあるようだと不安に思う。一方、多忙な恵子(中村ゆり)は、気分転換にコの字に行こうと吉岡を誘うが、夕方から住宅メーカーとの大事な打合せを控えた吉岡は約束できないでいた。その打合わせにハルカを連れて出席した吉岡は、社長(森下能幸)の問いに、ずけずけと身も蓋もない答え方をするハルカに肝を冷やす。そして、打合せ終わりにハルカを諭そうとする吉岡だったが、思わぬ反撃に合って…。

恵子(中村ゆり)から試作中のピンチョスの写真が送られてきて、電話で話す吉岡(浅香航大)。どれもとても美味しそうだ。傍で話しかけたそうなハルカ(優希美青)が様子を伺っていたが、気づかない吉岡。恵子からは今夜どうかと誘われたが、焼酎メーカーとの打合せがあって断ってしまう。ところが、急に打合せ時間が早まり、慌ててハルカと出かける吉岡。こちらからの提案にあまり乗り気でないクライアント。するとハルカが突然、別提案の資料を配りだす。クライアントはハルカの案を気に入り、打合せは無事終わったのだが、またしてものハルカの勝手な行動にどう諭すべきか悩む吉岡はある提案を…。

ハルカ(優希美青)考案の居酒屋マッチングアプリの作成のため、協力店を探して挨拶回りを続ける吉岡(浅香航大)たち。熱心なハルカは休憩も取ろうとしない。しかし、頑張り過ぎたハルカはダウンしてしまう。一方、AIで居酒屋と人の相性が正確に診断できるものか疑問を感じた吉岡は、アドバイスを求めて恵子(中村ゆり)に連絡を取る。久しぶりに二人きりでコの字にやって来た吉岡と恵子。そこはこれぞ昭和というＷコの字のカウンターで、名物の生ホッピーは３杯までしか頼めないそうだ。これまた名物のやわりめを美味しいと食べていると隣の客が話しかけてきて…。

ハルカ(優希美青)考案の居酒屋マッチングアプリの試作品が完成したが、納得がいかない吉岡(浅香航大)たち。アプリのことで頭がいっぱいのハルカは他の仕事も手がつかず、見かねた吉岡は資料探しにハルカを連れて神保町の古書店へ。その後、こういう時こそ一杯行こうと、前から行ってみたかった兵六に誘う。そこには先客として先生(綾田俊樹)がいて、さつま無双と兵六あげを勧めてくれた。餃子も堪能し、先生から壁の乗り越え方のアドバイスをもらった二人は、神保町の新しいコの字を教えてもらい行ってみることに…。

恵子(中村ゆり)がやって来たことで85を飛び出してしまったハルカ(優希美青)は、仕事が身に入らず、悶々としていた。そんなハルカを山田(小園凌央)と一緒に会議室に呼び出した吉岡(浅香航大)は、自分が居酒屋マッチングアプリのプロジェクトから外れることを告げる。突然のことにショックを受けるハルカは、山田から吉岡の新しい案件を聞き出す。それは、以前やって好評だった地元食材を使った名物料理の開発を全国展開することだった。クライアントが恵子を指名したため、多忙な恵子に引き受けてもらうための提案書作りに精を出す吉岡。その頃、恵子のキッチンスタジオには妹の洋子(北香那)が来ており…。

居酒屋マッチングアプリが完成した。社長の角倉(堀部圭亮)も満足そうだ。吉岡(浅香航大)の薦めもあり、次の新規案件をハルカ(優希美青)に任せると言う。吉岡は、地元食材を使った全国新名物料理プロジェクトの打合せで恵子(中村ゆり)のキッチンスタジオへ。今回からアシスタントのミキ(藤井武美)も恵子と連名でフードコーディネーターとして参加することになった。吉岡(浅香航大)が帰社すると、ラフな格好の男が社長の角倉(堀部圭亮)を訪ねて来た。その男はイタリア在住のカメラマン、小林透(竹財輝之助)で角倉とは旧知の仲だった。小林の写真を見て感銘を受ける吉岡は、先約のある角倉の代わりに一緒に飲みに行くことに。行きたいコの字があるという小林に連れられて荻窪のカッパにやって来た吉岡。そこはハキハキとした女将がモツを焼くお店で、すっかり意気投合した二人は…。

ピンチョス本の制作も佳境に差し掛かり、恵子(中村ゆり)は、ロケの準備をミキ(藤井武美)に任せ、色校チェックに集中していたが、ふと悩み事が頭をよぎり、手を止めてしまう。仕事に集中するために透(竹財輝之助)と別れ日本に戻って来た。ほどなくして吉岡(浅香航大)とのコの字酒場学校も再開した。いったい自分はどうしたいのか、気持ちを確かめるため、恵子は吉岡をコの字に誘う。一方、吉岡は、透とのやりとりを思い出し、今日こそは恵子に対し、「ドーンと」行こうと心に決める。二人でやって来たのは東銀座の焼鳥屋で、絶品フルコースがいただけるのだという。仕事の話などをしながらなぜかギクシャクしてしまう二人。互いの思惑とは裏腹に、流れるような作業で焼鳥が焼かれ、提供される。次々と焼鳥を頬張る二人は、いつしか楽しく食べ飲みすることに夢中になり…。

恵子(中村ゆり)のキッチンスタジオに妹の洋子(北香那)がやって来る。就活がうまくいかず悩んでいた洋子だったが、本当にやりたいことを見つめ直し、児童養護施設に就職を決めたのだった。喜ぶ恵子とミキ(藤井武美)。洋子はお祝いにコの字をリクエストする。そこへ、全国新名物料理プロジェクトの打合せをしに吉岡(浅香航大)がハルカ(優希美青)を連れて訪れた。吉岡はハルカに返事をしておらず、恵子は二人が抱き合うのを見てしまっている。微妙な雰囲気が流れる。その間に恵子の渡航準備の資料を見つけた洋子は皆が帰った後に恵子を問い詰める。このまま行ったら吉岡は…。数日後、吉岡は山田(小園凌央)から洋子の就職祝いに一緒に来てくれと言われ…。

ピンチョスのレシピ本が完成し、ミキ(藤井武美)に手伝ってもらい、サインをする恵子(中村ゆり)。キッチンスタジオも片づけ、日本を発つ日が近づいていた。妹の洋子(北香那)と電話で話す恵子。吉岡(浅香航大)とのことを心配する洋子に大丈夫と答える恵子だったが、吉岡は電話に出ない。ダメもとで溝の口のコの字で待っているとメッセージを送るが、それを偶然ハルカ(優希美青)が見てしまう。吉岡はハルカをお昼に誘い、この間の返事をしようとするが、吉岡の気持ちを察したハルカは…。