オフサイド

弱小・白百合中サッカー部のゴールキーパー・熊谷五郎は、中学最後の試合で苦戦しながらも初勝利をあげた。試合後、五郎は相手の薬丸、シンゴと名門横浜南高校で一緒にサッカーをしよう、と約束したが…。

五郎と幼馴染みの渚は私立川崎高校へ入学し、偶然にも同じクラスになった薬丸、シンゴと共にサッカー部へ入部し、渚はマネージャーとなる。そして、横浜南5軍との練習試合に勝った川高だったが…。

五郎たち川高は、横浜南4軍と練習試合を行うことになったが、現れたのは4軍と偽った2軍だった。その事実を知った五郎たちは、逆に互角の試合を行う。そして、両チーム無得点のまま後半戦に入り…。

インターハイ神奈川県予選が始まった。川高は1回戦、ラフプレイで名高い三輪工業高校、続く2回戦も楽々と突破。3回戦、 瀬谷二高の“快速ウィング”島原誠の俊足に翻弄され、苦戦を強いられながらも勝利し…。

インターハイ準決勝、薬丸抜きの10人で戦う川高は苦戦を強いられていた。薬丸はチームメイトをばかにしたことで五郎に殴られ、練習にすら出てこなくなっていた。しかしメンバーは、薬丸が来ることを信じていた。

インターハイ県予選決勝、対横浜南戦が始まる。五郎たちは横浜南エース・茅野の攻撃とオフサイドトラップに苦戦を強いられる。膝の痛みに耐え、プレイを続けるキャプテン・織田の想いを知り、川高は奮起するが…。

夏休みに入ったある日、五郎たちは1人の少年に出会う。横浜南・日比野慶彦の双子の弟で、ブラジル帰りの日比野勝彦だった。彼はストライカーとしての五郎の素質を見いだし、自分がキーパーになると提案する。

秋になり、高校サッカー選手権・神奈川県予選が始まった。1、2回戦を快勝し、フィルダーに転向した五郎の活躍が注目される。薬丸はそれを妬ましく思うが、織田のひた向きさを見てチームで勝ち抜くことを誓う。

準決勝の瀬谷二高戦。五郎は大伴とのヘディングに競り勝ち、2対0で決勝へ進み横浜南との試合を迎えた。復帰した織田、そして川高イレブンにとって、夏のインターハイ予選決勝で惜敗したリベンジとなる試合が始まる。

川高対横浜南の決勝戦。試合は横浜南1点リードで後半になり、五郎のミドルシュートが決まって同点に追いつくが、試合はそのままロスタイムに入った。そして、織田からのラストパスを受けた五郎がシュートを放ち…。

全国高校サッカー選手権が幕を開けた。川高の1回戦の相手は、格下と噂される岸和田水産高校。しかし、粘り強い岸和田水産のDF陣の前にゴールを割ることができず、ついに先取点を許してしまう。

高校サッカー選手権・準々決勝を前に横浜南の茅野が、五郎たちに静岡一高の攻略法を授けようと過去の静岡一高戦をまとめたVTRを持ってきた。そこで五郎たちは改めて静岡一高の飛び抜けた実力に衝撃を受けるが…。

五郎たち川高は、選手権準々決勝まで勝ち進み、相手は王者・静岡一高となる。個人技でははるかに静一に及ばない川高だったが、勝利を信じ必死にボールに食らいつき激闘の末、1点差を追うことになる。

桜咲く春。五郎は河川敷で渚が見守るなか、1人練習をしていた。すると、ロードワーク中の横浜南・茅野が現れ、五郎は初めて出会った時から今までの出来事を思いめぐらし、改めて今の大切さを感じる。

新生・川高サッカー部の2年目のシーズンが始まった。そんな折、国体出場の神奈川選抜チームに川高から五郎、薬丸、シンゴ、勝彦、そして新入生の島本守が選出された。合宿で五郎は特別コーチと出会い…。

全国高校サッカー選手権県予選。シードの川高は2回戦からの登場だった。五郎たちは横浜南の試合を観戦し、エースの茅野に対して悪質なファウルを何度も犯す相手選手に腹を立てるが、茅野は全く意に介さなかった。

宿命のライバル・横浜南との試合が始まった。序盤、阿部が得意の俊足で攻め込むが、横浜南・不破の巧妙な誘いに乗ってペナルティエリア内でファウルを犯してしまう。そして茅野がPKをきっちり決め、先取点を奪う。

全国高校サッカー選手権、2年連続出場の川高は、トーナメントを勝ち進み、ついに強豪・星城学園戦を迎えた。先制点を許した星城は後半、キャプテン・石原のシュートで、雨の中のPK戦へともつれ込むが…。

無事ベスト8入りを果たした五郎たちは、勝彦の見舞いに日比野家を訪れた。そこで五郎は、セリエAで活躍する勝彦の長兄・辰彦からセリエAへの誘いを受ける。そして、川高は準々決勝も勝ち上がり…。

鹿児島学院の圧倒的なパワーになすすべのない川高は、1対0のまま後半戦に入る。薬丸は前半の消極的なプレイに自分自身腹を立てていたが、改めて気合を入れ直し、スライディングシュートを決める。

鹿児島学院を破った川高は、ついに決勝へ進出。一方、決勝前だというのに川高メンバーは、五郎にイタリア行きの話があることを聞き動揺。だが、「今は試合に専念しよう」と意を決し、再び王者・静岡一高に挑む。

決勝、川高対静一戦。静一の頭脳プレイヤー・明智の指揮で、川高はセットプレイに苦しめられる。前半、同点で折り返した両校は、それぞれのやり方で気持ちを切り替えて後半戦に挑む。そして激闘はヒートアップし…。

川高はPKのチャンスを得るが、静一のゴールキーパー・池永に防がれる。激闘は均衡を保ちロスタイム、薬丸が勝ち越しのヘディングシュートを決めて逆転、そしてタイムアップ。川高は念願の選手権優勝を果たす。

選手権を終えた五郎たちは、20歳以下で構成される日本代表選抜チーム・U-20に選出され、強化合宿に参加することに。練習をのぞきに来た者は、新たなる飛躍を迎えようとする五郎を心から応援する。

イタリアへやってきたU-20日本代表イレブン。日本から応援に駆けつけた渚と由樹子たちは、練習を見守っていた。由樹子はイタリアで、五郎に対する気持ちを素直に伝えようと心に決めていたが…。

U-20イタリアユースカップが開幕。初戦のフランス代表メンバーの中に、前夜危ういところを助けてくれた青年・ジャンがいた。彼の芸術的ともいえる華麗なプレイを目の当たりにした五郎は、さらに闘志を燃やす。

フランス代表・ジャンとダルクのコンビプレイに苦戦する日本イレブン。だが、五郎は負けじと弾丸シュートを放ち、ジャンと対等に渡りあい、2対1で勝利を勝ち取る。残るは決勝のみと、日本イレブンは歓喜に沸く。

決勝戦を目前にして、五郎はセリエAのアントニオを始めとする欧州スカウト陣から注目を浴びていた。そしてイタリアとの決勝戦、エースのフィオは「ジャポネーゼごときに負けはしない!」とたんかを切り…。

日本対イタリア戦。U-20日本代表チームはイタリアに2点先取されている焦りから、各自が個人プレイに走ってしまい戦意が空回りするばかり。見かねた五郎は、自分たちらしいサッカーをしなければと喝を入れる。

イタリアチームのエース・フィオは、幼少の頃サッカー選手だった父親のパスミスから、自殺点を奪われた試合に衝撃を受けた経験があった。その影響から味方を信頼できず、パスの出せない選手になっていたが…。

五郎たちが最上級生となった春、薬丸とシンゴは柄の悪い2人組に絡まれる。彼らはインターハイ常連組で、2年間の公式戦出場停止処分を受けた燕双高校のサッカー部員だった。五郎らは燕双のインターハイ出場を知り…。

インターハイ1回戦に勝った川高は、2回戦で燕双のラフプレイの前に敗退してしまう。衝撃の色を隠せない川高イレブンだったが、技術的な問題より、勝者としておごり高ぶっていたのではないかと自戒する。

五郎たち川高イレブンは、インターハイで敗れた教訓から筋力強化に主眼を置いた練習を行うことにし、その練習プランを横南の有本監督に依頼する。夏合宿最終日の練習試合で、その成果は十分に発揮され…。

全国から強豪が集まる冬の選手権が開幕。神奈川代表の五郎たちは会場内で燕双の松浦と一悶着あり、試合前から負けるものかと血気盛んになっていた。川高は1回戦の鹿児学、2回戦の静一高に苦戦を強いられるが…。

決勝戦に勝ち進んだ川高の次の相手は、インターハイで屈辱を受けた松浦率いる因縁の燕双高校だった。キックオフ早々、松浦のラフプレイで試合は混戦状態に。五郎も松浦の激しいタックルを受け…。

燕双対川高の試合は、両者互角のまま一歩も譲らない展開を迎える。両イレブンは死闘のなか、かけがえのない仲間との思い出を振り返っていた。それぞれの思いを胸に、試合は中盤戦へと突入する。

全国高校サッカー選手権・決勝戦は、シンゴと薬丸のコンビネーションプレイにより、川高が1点をリードしたまま後半を迎える。だが、燕双の松浦が、額を切りながら血染めのボールでヘディングシュートを決め…。

川高は五郎のドライブシュートで3対2と燕双を突き放す。右膝を負傷した五郎と同様、松浦も接触で足を痛めていた。誰もが川高の勝利を確信して迎えたロスタイム、松浦は勝利への執念で奇跡の同点シュートを決める。

選手権決勝の延長戦、気力のみで戦う両イレブンは、ただひたむきにボールを追っていた。そして、川高は最後の攻勢に出る。五郎たちは全員攻撃でパスをつなぎながら、燕双のゴールへ向かうが…。