信長の忍び

1555年──世はまさに戦国の時代!!ひとりの青年がでっかい夢を抱いていた。うつけと呼ばれる彼こそ後の…、そう、織田信長である。本格戦国ギャグアニメ、はじまりはじまり～!! 

伊賀忍びの千鳥は、子供でちょっとドジではあったが、すでに忍びとして一流の腕を持っていた。そんなある日、尾張の織田家から忍びの派遣要請がくる。千鳥はうつけと名高い信長の下に行くことになり…。

織田家の忍びとなった千鳥の下にサルと呼ばれる男、木下秀吉がやって来る。信長の家臣である秀吉は千鳥に忍術を見せてほしいと詰め寄り、織田家の武将で槍の名手である森可成は手合わせを申し込むが…。

忍びの千鳥が信長から言い渡された初任務は、駿河国大名・今川義元の居城へ潜入し尾張に攻めてくる時期と作戦の情報を持ち帰ることだった。その夜、今川館に忍び込むことに成功した千鳥だったが…。

千鳥と助蔵は流行り病にかかった秀吉の見舞いに行く。そこへ、秀吉の友人・ねねが押し掛けて来る。彼女は秀吉をひそかに慕っていたが、秀吉は戦国一の美少女との呼び声高い信長の妹・お市に片思いしていた。

駿河国大名・今川義元が大軍を率いて織田領内の尾張へ侵攻を始める。織田家家臣たちは慌てふためくが、なぜか信長は落ち着いていた。一方、忍びの千鳥は信長の命を受けてある重要な任務に就いていた。

信長は「敦盛」を舞い出陣する。しかし、2万5千の圧倒的な兵力を誇る今川軍は次々と砦を陥落させ、織田軍は劣勢に立たされてしまう。そんな中、信長は前線にて忍びの千鳥からの報告をひたすら待っていた。

兵力の差で圧倒的に不利な状況の信長は、今川義元がいる本隊だけを狙って進軍していた。そして、居場所を探らせていた忍びの千鳥からの報告を受け、信長は桶狭間付近でついに義元の姿を視界に捉える。

歴史的大逆転で今川義元に勝利した信長の武名は、日本中に鳴り響く。そこへやって来た織田家の家臣で歴史書記愛好家の太田牛一は、歴史的勝利に一役買った忍びの千鳥の活躍を記録したいと言うが…。

三河国大名の松平元康は、長く臣従を強いられてきた今川家と決別。幼少時に人質として信長の下で暮らしていた元康は、信長と同盟を結ぶために清洲城にやって来た。千鳥は元康に仕えている服部半蔵に興味を持ち…。

信長は美濃に侵攻を開始する。美濃国大名の斎藤龍興はだらしのない男であったが、美濃三人衆・稲葉一鉄、安藤守就、氏家卜全の軍勢と軍略の天才・竹中半兵衛の智謀で、信長は撤退を余儀なくされる。

斎藤龍興の体たらくに、美濃三人衆の稲葉一鉄、氏家卜全、安藤守就は嫌気が差していた。千鳥は天才的な策略家の斎藤家家臣・竹中半兵衛を暗殺するため美濃に潜入するが、美濃三人衆に忍びと見抜かれてしまう。

負傷した千鳥を家に運び手当てをしたのは、斎藤家家臣・竹中半兵衛であった。命の恩人を暗殺するためクナイを手にする千鳥だったが、不覚にも傷の手当てをしてくれた半兵衛に情が移ってしまい…。

突然、稲葉山城を乗っ取ると言い出した斎藤家家臣・竹中半兵衛は、たった十六人の兵と千鳥を連れて正面から堂々と侵入する。半兵衛の巧妙な作戦によって城内は混乱を極め、ついには斎藤龍興を追い詰める。

戦国一のおしどり夫婦、前田利家とまつ。二人を見たねねは、夫の秀吉にも早く出世してほしいと願っていた。一方、信長は美濃領内である墨俣への築城を計画していた。その築城の任務に何と秀吉が立候補し…。

秀吉は墨俣築城に当たり、野武士の頭領でおとこ気の塊・蜂須賀小六に協力してほしいと交渉する。しかし小六は、秀吉の交渉に対し簡単に首を縦に振らない。そこで秀吉は信長の大きな理想を語って小六の説得を試みる。

難航が見込まれた墨俣築城を順調にこなす秀吉たち。その矢先、そうはさせじと斎藤軍が来襲する。三日間不眠不休で築城した秀吉たちは、斎藤軍に負けじと応戦するが、絶体絶命の状況に陥ってしまう。

稲葉一鉄、安藤守就、氏家卜全たち美濃三人衆を味方に付けた信長は稲葉山城に攻め寄せる。織田軍に城内への侵入を許してしまった龍興は錯乱し、いつもはべらせていた女性たちを捜しだすが、そこに現れた女性は…。

美濃で岐阜城と一大城下町の建設が進む一方、日本（ひのもと）の中枢である京を目指す信長は、秀吉と千鳥を呼び出す。そして2人に、近江領内に隠棲している竹中半兵衛を仲間に引き入れるよう命じる。

秀吉と千鳥は織田家へ仕えてほしいと竹中半兵衛に頼むが、参謀をそばに置かない信長の下では役に立つことができないと断られてしまう。しかし、秀吉の語る夢と千鳥の説得によって半兵衛の気持ちが揺らぎ…。

秀吉の参謀となった半兵衛は、織田家が上洛するためには近江国に道を確保する必要があると言う。そこで信長は、婚姻同盟を結ぶために北近江の大名である浅井長政の元へ、妹のお市を嫁がせることに決める。

将軍になりたい前将軍の弟・足利義昭は、かくまってもらっている朝倉家から飛び出して信長の下へ行くと言う。そこで、朝倉家に仕える新参者が織田家へと出向くことになるが、この男はとある計画を考えていた。

朝倉家を見限って織田家に仕えたい明智光秀は、信長の信用を得るために足利義昭と信長を引き合わせると明言する。光秀の従兄妹である帰蝶の推薦も受け、将軍家の権威を利用したい信長はそれを承諾する。

信長の上洛軍が京に入るにあたり、近江国を通過すると知った浅井家の反織田派・遠藤直経は、信長を迎えるふりをしてひそかに暗殺を企てていた。そうと知らずに、信長たちは近江国の佐和山城へとやって来る。

京を目指す信長は、南近江の六角承禎に何度も使者を送るが、服従も協力も拒まれる。是非もなしと、信長は六角打倒のために総勢六万の大軍をもって出陣するが、六角家には甲賀忍軍「甲賀五十三家」がいた。

六角承禎攻略のために、秀吉、佐久間、丹羽は箕作城を急襲する。最前線の和田山城に攻め入ると思っていた六角の隙をついた作戦だが、箕作城の兵も必死に抵抗する。そこで竹中半兵衛は新たな策略を立てる。

ついに京へ入った信長は、三好三人衆の掃討を柴田勝家と森可成らに指示し一掃する。天下取りがいよいよ現実的となった今、千鳥は他国から流れてきた自分が信長のそばにい続けてもよいのかと一人悩み始める。