メジャー第1シリーズ（1期）

父親と2人で暮らす吾郎は、気にかけてくれる保育園の先生・桃子に「父親のようなすごいピッチャーになる」と夢を語った。「おとさん」こと父・茂治はやっとけがが治ったのに、今度は肘を痛めたため引退を申し出る。

おとさんのような野球選手を目標に練習を続ける吾郎。そんな吾郎に強引に誘われて野球を始めた寿也だが、少しずつ面白さがわかってくる。一方、茂治は吾郎のためにバッターとして再起することを誓った。

吾郎のピッチングを見て素質に惚れ込んだ三船リトルの安藤監督は、まだ5歳の吾郎をチームに入れ、変化球まで教えてしまう。吾郎はこれをおとさんに報告するが、茂治は吾郎に黙って三船リトル入りを断ってしまう。

バッターとして一軍に復帰した茂治に再婚を勧める茂野。茂治は桃子のことが気になっていて、思い切って吾郎と3人のデートを申し込む。吾郎は自分の誕生日なのに、おとさんが気づいていない様子なのでがっかりする。

メジャーリーグから東京ウォリアーズ入りしたジョー・ギブソン。茂治がギブソンからホームランを打ち、吾郎は大喜び。オーシャンズはバント攻撃で得点を重ね、ギブソンは日米の野球の違いにいら立ちを募らせる。

ギブソンからデッドボールを受けた茂治だが、元気に立ち上がった。そのまま出場を続け、ブルーオーシャンズは勝利を収めた。インタビューで茂治が自分の名前を言ってくれて、吾郎は大喜びする。

茂治の事故死から3年がたち、吾郎は小学4年生になった。新しいクラスでは、沢村たちが小森をいじめており、隣の席の清水とも喧嘩になって吾郎はげんなり。気を取り直してリトルリーグの練習場へ行くが…。

清水が参加し、チーム結成まであと2人。吾郎たちは、小森が沢村から万引きを指示された場に居合わせる。小森にも冷たい吾郎だったが、「仲間に手を出すやつは許さない」と約束して、小森をチームに誘う。

小森と沢村が加わり、9人揃った三船ドルフィンズは、練習不足のままチームの解散を懸けた試合に臨む。相手の商店会チームの油断を突いた吾郎のホームランで先制するが、その裏、自信満々の吾郎が連打を浴びる。

チームワークの大切さを知った吾郎の調子は次第に上がってきて、大人たちを三者凡退に抑える。しかし、本気で投げ始めた商店会チームのピッチャー・吉野を打ち崩せず、同点の試合が続くなか、雨が降ってきた。

新生、三船ドルフィンズが始動。張り切る吾郎に、横浜リトルでプレイする方が吾郎のためと安藤監督が言う。そして吾郎は横浜リトルのグラウンドまで見学に出かけ、そこで幼馴染みの寿也と思いがけず再会する。

ウォリアーズの通訳・日下部が吾郎を訪ねてきた。メジャーに復帰したギブソンが、吾郎をメジャーリーグのオールスターゲームに招待したいらしい。最初は反発した吾郎だが、世界一の野球を見ようと渡米を決意する。

夏休みに入り、吾郎の提案で三船ドルフィンズは強化合宿に出かけた。そこで吾郎は、少し太めの体格をした野球少年の上河内に出会う。上河内は、全国大会出場チームである久喜リトルの4番打者だった。

久喜リトルとの練習試合に負けた三船ドルフィンズ。吾郎の投球が急に乱れた原因は、おとさんの事故によるデッドボール恐怖症にあった。どうしてもインコースに投げられない吾郎は、横浜リトルに練習試合を申し込む。

横浜リトルの樫本監督から「うちには通用しない」と言われても、打倒横浜リトルを目指す吾郎。しかし安藤監督は、吾郎1人しかピッチャーがいない三船ドルフィンズに横浜リトルは倒せないと言う。

吾郎が早朝に出会った少女・涼子は、横浜リトルのピッチャーだった。夏休み最後の練習日に清水が練習を休み、吾郎と小森が遊園地帰りの清水と出くわす。問い詰められた清水は、「野球をやめる」と宣言してしまう。

秋の大会を控えたある日。バッティングセンターで吾郎が会った三つ子は、本牧リトルの「ブラックトライアングル」岡村三兄弟だった。そして迎えた大会初日。ドルフィンズの対戦相手は本牧リトルだった。

本牧リトルとの試合。4回の表に吾郎は岡村三兄弟の作戦で1点を失い、「もうだめだ」と切れかかるナインの気持ちを清水のファインプレイが救う。「しっかりするのはお前だ」と励まされ、吾郎は完全に立ち直る。

三船ドルフィンズの2回戦の相手は戸塚西リトル。表情を変えずに投げる球太のフォークボールをビデオで見て、吾郎たちは強敵だと知る。そんななか、桃子と茂野が一緒に出かけるのを吾郎が目撃してしまう。

トップバッターの球太に配球を読まれ、吾郎はホームランを打たれてしまった。ドルフィンズは球太のフォークに手も足も出ない。さらに打席で転んだ小森が手首を捻挫してしまい、沢村が急きょマウンドに上がる。

沢村の策が功を奏し、完全試合を免れた三船ドルフィンズ。吾郎は、ショックを受けている球太に揺さぶりをかける。満塁からデッドボールで押し出し、さらに手を負傷している小森のタイムリーで1点差に追い上げた。

準々決勝の相手は、あの横浜リトル。全治1カ月の重傷を負った小森の代わりのキャッチャーを、清水がやると言いだす。そして、清水がたった1日で吾郎の球を捕った姿を見て、チーム全員の士気が上がってきた。

横浜リトルとの試合当日。ぎっくり腰で倒れた安藤監督の代わりは、何と桃子。試合が始まったが、雰囲気にのまれたドルフィンズはエラーが続出。吾郎の速球も通用せず、1回表にいきなり9点を取られてしまった。

横浜リトルのキャッチャー・寿也のリードで手玉に取られた吾郎は、ダブルプレイに倒れてしまう。しかし、きわどいカーブを打ち返した吾郎の野球センスが変わらないのを見て、寿也は思わずうれしくなる。

横浜リトル戦は延長戦に突入。相手はバント攻めで吾郎のスタミナを奪い、3番手のピッチャーとして涼子が登板。吾郎の反応を気にする三船ナインだったが、吾郎は「打ち崩すことしか今は考えてない」と言い切った。

延長8回裏。横浜リトルの樫本監督が出した「敬遠」の指示に逆らい、吾郎との勝負に懸けた涼子と寿也。涼子の渾身の一球を、最後の力を振り絞って吾郎が打った。そして秋は終わり、桃子と茂野の結婚式が行われる。