絢爛舞踏祭ザ・マーズ・デイブレイク

汎銀河大戦停戦後の火星。地球軍基地で働く若者グラムは明日の見えないその日暮らしの毎日を過ごしていた。そんな彼の日常を打ち破るかのようにアデナの軍倉庫を狙って、海賊”夜明けの船”がやってくる。それを迎え撃つ地球軍のRB(ラウンドバックラー)部隊。その中には、数年ぶりに火星に戻ってきたベスの姿があった。

海賊の一人ヤガミに誘われ、夜明けの船で働くことになったグラム。しかし戦いに不慣れな彼が犯したミスにより、夜明けの船が衛星軌道上の地球軍にみつかってしまう。地球軍RB部隊の攻撃をうけ、反撃する夜明けの船。だが、夜明けの船の放った魚雷が、地球軍の妨害をうけて、民間人の居住区に向かってしまう!

夜明けの船の一員である少年ショウの夢はRBのパイロットになること。その気持ちが昂じたあまり、勝手にグラムのRB”希望号”を持ち出してしまう。取り戻そうと、慌ててあとを追うグラム。だがショウの操る希望号が、付近の海域を潜航していたベスの地球軍RB部隊に見つかってしまう!

上官のドリトル大尉の薦めで、休日をとって数年ぶりに故郷のアデナの街を歩くベス。昔なじみのアーニャに出会い、彼女の店を手伝う事になる。その頃、グラムも近所の子供たちにしばしの別れを告げるため、同じくアデナの街中にいた。かつてと立場の違うグラムとベスは久しぶりの再会を果たす…。

火星政府代表のアンナのもとに最悪な知らせが入る。お忍びで火星に来ていた地球大統領の孫娘、エノラが誘拐されてしまったのだ。その誘拐犯人が夜明けの船らしいと思い込んだアンナは事態の収拾を図ろうと、自ら地球軍の旗艦に乗り込む。かくして夜明けの船と地球軍による氷の海の中での大戦闘が開始される…。

夜明けの船に傷をつけ逃走していった船を追いかけ、かつて大学だった廃都市船にやってきた夜明けの船。当て逃げ犯に復讐しようとやっきになっているエリザベスに命じられ、海賊たちは大学の中へと乗り込んでいく。突如やってきた荒っぽい海賊に脅える当て逃げ犯。彼らは大学に隠されていた秘密兵器を発見し、反撃に出る!

海賊同士の喧嘩にまきこまれてしまったグラムたち。だが突如現れた謎の海賊が、彼らのピンチを救ってくれた。その男、キュベルネスに夜明けの船の場所を聞かれたグラムは、ごまかしてその場から逃げだす。だが、キュベルネスは無理矢理、夜明けの船に乗り込んできた。彼はエノラをとりもどすために雇われた傭兵海賊だった!

豪華客船オリンポス号で大企業主催のパーティーが開催され、火星主席、軍、夜明けの船の面々らが一堂に会することに。ヤガミの紹介で、夜明けの船のスポンサーであるナイアル・ポーに引き合わされるグラムは、そこでポーにスカウトされる。だが、そこにキュベルネスが現れた。彼はエノラ、そしてグラムの両方を狙っていた!

軍の監視衛星の隙をつき、夜明けの船が浮上する。久しぶりに日の光を浴びたクルーたちは、戦闘を忘れ、ゆっくり露天風呂につかって日々 の疲れを洗い流す。だがそこに、突如謎の巨大生物が現れる。夜明けの船にとりつき、船のエネルギーを吸いはじめる巨大生物。エステルたちは、水着姿のまま巨大生物の迎撃を開始する!

『導きの箱』を受け取りに、火星先住移民の村にやってくるエリザベス。だが、箱の在り処を知っているガーマは留守だった。そこに、箱を求め、ドウズという男の手下たちがやってくる。その頃、グラムは街中で奇妙な老婆に出会っていた。老婆のペースにのせられ、グラムは博物館の中の展示品を盗む片棒を担がされてしまう。

久しぶりに養父からのメールを受け、喜ぶベス。彼女は功を焦るあまり待機命令を無視し、夜明けの船の反応があった都市船リガオカへと向かう。だが、港はすでにもぬけの空だった。臭紋を手がかりになんとか夜明けの船をみつけようとしたベスは、リガオカの下に隠された大昔の地下坑道を発見する…。

退屈しのぎに怪談大会をひらくグラムたち。ミルヒは、海の神の怒りにふれ沈められた幽霊船の話をする。ちょうど今、自分たちがいる海域こそ、その船が沈んだ場所だという。それから次々と起こり始める超常現象に翻弄される夜明けの船のクルー。だが一人冷静なクララは事態の真相を解明しようとして…。

航行中にSOS信号を受信する夜明けの船。アキたちは岩にはさまれた小型潜水艇を発見する。船の中にはウェディングドレスを着た女性が眠っていた。その女性、セレナに一目ぼれしてしまうアキ。セレナは婚約者を追って航海に乗り出し、事故に遭ってしまったのだという。そんなセレナにアキは積極的なアプローチをかける…。

グラムに対する怒りが日増しにつのっていたベス。そして遂にチャンスがやってくる。地球軍艦隊が夜明けの船の機雷にひっかかったのだ。その混乱のすきをつき、ベスはシーホースを奪って旗艦から脱走する。RBでグラムと対決するベス。だが、『導きの箱』を奪うためやってきたキュベルネスがその戦いに割り込んできた!

行き場のなくなったベスをしばらく船においてやることになったキュベスネス。グラムに勝ちたければ海賊の戦い方を学べというキュベルネス。一度は従うそぶりを見せるものの、ベスはキュベルネスの隙をついて彼の船を乗っ取る。だがそのとき、キュベルネスに恨みをもった海賊たちが不意打ちで爆雷を投下してきた!

修理の完了した希望号は何故か動かない。その原因が自分であることを感じ取るグラム。一方、夜明けの船は、導きの箱が映し出した映像を解析するため、『叡智の城』にやってきていた。警戒の厳重な正面を迂回し、中に忍び込むエステルたち。そのとき、夜明けの船を追っていたロゼッタたちがベスの弔い合戦を仕掛けてくる!

導きの箱の扱いをめぐり対立するヤガミとエリザベス。どうしても譲ることのできないヤガミはなんと反乱を起こす! ブリッジが占拠され、監禁されてしまう乗組員たち。そんな中、『叡智の城』で手に入れた古地図を解析していたエノラとエステルはなんとか逃げのびることに成功する…。

ドック都市船に寄港する夜明けの船。その都市船の支配人であるドクターという男は、エリザベスの海賊仲間だという。再会を懐かしむエリザベスとドクター。だが、海賊船にカモフラージュした地球軍の船が港にやってくる。その擬装を行ったのはドクターだった。船から出てきた兵士たちにより夜明けの船は包囲されてしまい…。

夜明けの船には巨大な氷山が聳え立つ。越えるためにはバーナビ渓谷を抜けるしかないが、渓谷は地球軍の要衝、『閉ざしの門』によって護られている。危険を避け、迂回することを進言するエステルだが、断固として遠回りする気はないというエリザベス。グランパは、氷上を進み『閉ざしの門』を攻撃する作戦を立案する…。

ベスからの決闘の申し込みを受け『流氷墓場』にやってくるグラム。スクワートに乗って待ち構えていたベスは、諭そうとするグラムの言葉にまったく耳をかすことなく、攻撃してくる。挙句の果てに自らの攻撃で崩れた岩に潰されそうになり、助けようとした希望号ともどもスクワートが漂流船へと突入してしまう…。

地球軍との総力戦に備え、組み上げられる新しいRB。エリザベスは『慈愛号』と名付けたそのRBをショウに与える。大喜びのショウはグランパによる慈愛号の操縦訓練を受けるが初めてのRBに苦戦し、思うように動かすことができない。そんなショウの姿をそっと見守るヤガミ。そして遂にショウの出撃のときがやってきた…。

宝の眠るオリンポス山の麓までやってきた夜明けの船。エリザベスは、宝を横取りしようとついてきているキュベルネスに対し、軍をけしかける作戦を実行する。その隙に希望号でオリンポス山の中へと入っていくグラム。だが、後方からやってきた何者かに希望号がつかみあげられ、グラムはコクピットから投げ出されてしまう…。

オリンポス山の中へ突入する夜明けの船。エリザベスに発破を掛けられた海賊たちは、宝を探しにいく。険しい道筋の果てに、光をみつける一行。そこになんと、導きの箱の示した岩、そして神の石があった。石の前で待っていたグラムの無事を喜ぶエノラ。だがそのとき、エリザベスたちの背後からナイアル・ポーが現れた…。

オリンポス山から出たところで地球軍に包囲される夜明けの船。地球軍は突撃艇による強制突入で直接夜明けの船の中へ乗り込んでくる。せめて一矢報いるべく、抗戦を試みるものの、地球軍の突入部隊によって次々と武装解除されていく海賊たち。そして突入部隊はついにエリザベスたちのいるブリッジに到達する…。

公開処刑までの時間を監獄の中で過ごす夜明けの船の面々。グラムはそんな彼らをなんとか救出する手だてを考えながら地球軍の本部都市船で身を潜めていた。そんなグラムの目に、TVに映ったエノラの姿が飛び込んでくる。緊急に開かれた記者会見の場で、グラムにあてたベスからのメッセージを告げる地球大統領の孫娘エノラ。

地球軍により夜明けの船に取り付けられた爆弾が爆発する。夜明けの船、そして、爆弾を取り外そうとしていた希望号の姿は跡形もなかった。処刑台の上を進んでいくエリザベス。そして沈痛な面持ちでその姿を見守る夜明けの船の海賊たち。その頃、そのTV中継された公開処刑をボンとシエの幼いまなこが懸命に見つめていた…。