仮面ライダー鎧武(ガイム)

中心部に大企業・ユグドラシルコーポレーションのタワーがそびえ立つ沢芽市。若者たちはダンスチームを結成し、パフォーマンスを競いあっていた。姉とふたり暮らしの葛葉紘汰もダンスチーム鎧武に所属していたが…。

ライダーに変身する力を得た紘汰は、この力を何に使おうかといろいろ試してみる。そんななか、ダンスステージをめぐるバトルはヒートアップし、今のところ駆紋戒斗率いるチームバロンの勢いが勝っていた。

ライダーとして戦うことに目覚めた紘汰は、チーム鎧武のパーカーを引っ張り出してビートライダーズに復帰していた。インベスゲームを挑んでくるチームに対しても、紘汰はライダーに変身して華麗に勝利を収める。

紘汰はバロンとのレースで再び謎の森へ迷い込み、一緒に飛び込んだ戒斗は不思議な果実がロックシードに形を変えると知って突き進む。一方、リーダーの裕也を捜し始める紘汰の前に、別のアーマードライダーが現れる。

異世界の森で謎の白いライダーに襲われた紘汰。あのベルトには気安く扱ってはいけない力があることを思い知った紘汰は、変身できなくなってしまう。そんな紘汰を見た光実は、決意の変身をする。

「チームレイドワイルド」リーダーの初瀬、「チームインヴィット」リーダーの城乃内までもがアーマードライダーに変身する。黒影とグリドンもライダーバトルに乱入し、ライダー戦国時代が幕を開ける。

ドリアンライダーに変身したカリスマパティシエの凰蓮・ピエール・アルフォンゾ。戦闘のプロである彼は、「ビートライダーズたちのチーム争いはくだらないお遊び。本物の戦いを教える」と参入してきたのだ。

沢芽市は大企業・ユグドラシルコーポレーションの開発によって発展した。この街で育った戒斗は、ユグドラシルに対して複雑な思いがあった。同じくこの街で育った舞は、空間の「裂け目」を発見するが…。

謎の森の「裂け目」からインベスがこちらの世界に来て人を襲っているのではないか、と不安を口にした光実。インベスの仕業と思われる怪事件がネットにアップされた頃、フルーツパーラー店長・阪東に危機が迫る。

クリスマスの街に突然インベスが出現。「裂け目」があちこちに発生し始めていた。紘汰は鎧武となって倒すも、このままではきりがないと焦り、森で防護服で作業していた人々に聞けば何かわかるのではと考えるが…。

紘汰と光実は各チームのリーダーに声をかけ、「謎の森で、ロックシードを多く集めたチームが勝つ」というルールのスペシャルゲームを開始。龍玄、バロン、黒影、グリドン、ブラーボが参加する。

自分たちはユグドラシルに「モルモット」と呼ばれ、実験台とされていた。「これ以上の変身は控えるべきだ」と光実は提案。そんななか、紘汰たちの目の前に黒影が多数現れ、植物を焼き払っていた。

沢芽市に不可解な病気が蔓延しつつあった。怪生物に襲われた人々の容体が急変し、現代の医学では対処できないという。そして矛先は、怪生物・インベスをゲームにしていたビートライダーズに向けられる。

果実を口にした初瀬がインベスになってしまった。信じられない思いで紘汰は必死に呼びかけるが、初瀬は行方をくらませてしまう。そんななか、光実は兄の車に忍び込み、ユグドラシル内部に潜入していた。

量産型の黒影トルーパーに拘束された紘汰は、ユグドラシル内部で同じく捕まっていた戒斗と出会う。連れていかれた先は、広い研究室のような部屋。そこにいた男は戦極凌馬で、ベルトの設計者は自分だと話すが…。

紘汰と戒斗がユグドラシルから脱走。街には、宝石店から金品を盗むなど妙な行動をするインベスがいた。そして紘汰は、DJサガラから渡されたレモン錠前と、パーツをいろいろ試してみるのだが…。

ヘルヘイムの真実を見せられた光実は、貴虎に「葛葉紘汰のドライバーの奪還」を指示される。光実は紘汰にもう一度確認をすべく、「紘汰さんは、それでもまだアーマードライダーを続けるんですか」と問う。

沢芽市はいまだインベスの危機にさらされており、ビートライダーズに対する風当たりが強まる。汚名返上に向けて舞たちはビートライダーズの合同ダンスイベントを計画。誤解を解こうと各チームに呼びかける。

合同ダンスイベントの成功でビートライダーズ同士の抗争はなくなり、もう紘汰が用心棒でついている必要もなくなった。チームを離れた紘汰は戒斗と合流し、ユグドラシルに対抗するための策を練る。

ユグドラシルのクラックホールに飛び込んだ戒斗の前に、戦極凌馬が現れる。一方、ヘルヘイムの森でも貴虎が変身を解除し、紘汰に真実を語ると言い、「ヘルヘイムの真実」と「理由のない悪意」を明かす。

紘汰は貴虎に聞いたヘルヘイムの真実を光実に話す。光実は舞にもみんなにも知らせるべきではない、と主張。知らずにいることと絶望を知ること、どっちが正しいのか紘汰は悩む。シドはそんな彼を放っておけない。

沢芽市の中心部にある橋の上に小さなクラックが発生。それは徐々に大きくなり、ユグドラシルが周辺を封鎖し始めていた。紘汰と光実は、ヘルヘイム側にも入り口があるに違いないと見て森へ向かう。

インベスになった裕也を倒してしまったことを知った紘汰は深い絶望に陥る。舞の笑顔を見ても何も言えない紘汰の前に、金色の謎の少女が再び現れる。一方、戒斗は今もヘルヘイムの森で行動を続けていた。

人類の運命を左右する存在であるオーバーロード。ヘルへイムの支配者である謎の生命体をめぐり、さまざまな思惑が交差する。ユグドラシルは戒斗を利用して捜索を行い、その戒斗は発見の末、ひたすら剣を交える。

オーバーロードとの戦いを経て、紘汰は彼らに接触すればヘルヘイムの侵略を止める手掛かりを掴めるのかと考える。そんな鎧武、ナックルらの戦いを眺めている城乃内は、自分の行き場がなくなったような気がしていた。

舞は「話したいことがあるの」と言い、自分に隠し事をしていると紘汰に詰め寄る。その頃、ユグドラシルの湊耀子は戒斗に興味を抱き、ゲネシスドライバーを渡す。一方、紘汰への不信感を募らせた光実が行動に出る。

紘汰を撃った光実は、気を失った紘汰に近づいてとどめを刺そうとする。一方、逃げたオーバーロードのデェムシュは、怒りに任せて森にいるユグドラシルの研究員を襲い、この緊急事態に貴虎が出動する。

ユグドラシルの貴虎と心が通じあえた、と仲間に報告する紘汰。その様子を見ながら光実は警戒を強める。一方、ユグドラシルでは貴虎先導のもと、シド、耀子らがオーバーロード探索へとヘルヘイムの森に向かっていた。

光実が変身した斬月・真だが、紘汰はその正体を知らない。戸惑いを隠せないなか、紘汰、戒斗、光実の3人は戦極凌馬に呼び出される。一方、シドがユグドラシルの人工クラックを破壊し、ロックビークルも壊した。

今から2週間前。夜の沢芽市に近づくひとつの影があり、その正体は赤と青のロボットのようだった。紘汰と舞は雨の中、1人の男と出会う。その体は冷たく硬く、自分は「機械」で名前はジローだと言った。

クラックを通して沢芽市へと乗り込んできたオーバーロードのデェムシュは街で破壊の限りを尽くすが、鎧武とバロンが力を合わせて追い詰める。一方、ヘルヘイムの森にいる光実とシドの前にはレデュエが現れた。

ユグドラシルに妨害され、瀕死の重傷を負った紘汰を、舞はガレージで看病する。そこへサガラが現れ「お前は世界を救いたい。ならば答えはひとつだ」と言う。そして、黄金の果実の力を秘めた「鍵」が明らかとなる。

新たな力を得た紘汰は極アームズとなった。ガレージには戒斗、凰蓮、城乃内、耀子らも集まって作戦会議を進めていた。街にはユグドラシルタワーのクラックから入り込んだインベスがあふれ、市民は避難を始めていた。

チーム鎧武のガレージに帰ってきた光実は凰蓮、城乃内、耀子らまでもが我が物顔でいることに違和感を覚える。ユグドラシルタワーを占拠したレデュエは、人類に宣戦を布告。ロシュオの王妃復活のための作戦も始めた。

沢芽市を彷徨う貴虎は街の変貌にショックを受けていた。紘汰を見かけるが、耀子と一緒にいるのを見て近づけない。一方、インベスにさらわれた紘汰の姉・晶がユグドラシルタワーの一室に連れていかれた。

紘汰にとどめの一撃を刺そうとする斬月・真だが、そこへ貴虎が割って入る。突然現れた兄に、動揺を隠せない光実。一方、ガレージでは光実について意見が分かれ、紘汰は自分に何ができるのか思い悩む。

貴虎、光実のもとへと急ぐ紘汰は、変身して戦っているうちイナゴの大群となって姿を消した。一方、腕に傷を負った戒斗の前にサガラが現れ、「葛葉紘汰は成長している。それに比べてお前は」と挑発する。

光実と貴虎の戦いを止めようと紘汰は埠頭に駆けつけるが、そこには壊れた戦極ドライバーが残されていた。傷心の紘汰の前に戦極凌馬が現れ、ユグドラシルタワーへ向かう隠し通路がある、と突入を持ちかけるが…。

光実にさらわれてしまった舞。紘汰はユグドラシルタワーに突入し、舞やさらわれた人々の奪還を決意。それには戦極凌馬の力を借りなければならない。そしてブラーボ、グリドン、マリカ、ナックル、バロンらが集う。

ユグドラシルへの地下通路を進む紘汰と凌馬は、たどり着いた部屋で、装置を付けられてベッドに横たわる人々を発見する。リカ、ラット、姉の晶も見つけ、紘汰が助けようとするが、そこにレデュエが現れる。

紘汰がオーバーロードの力を覚醒させ、合流した戒斗もその様子が違っていることを察する。舞を助けに向かう2人はロシュオと対峙。王の力、森を意のままに操り生命をも産み出す力を、初めて目の当たりにする。

ヘルヘイムの森から帰った舞は、そのまま気を失ってしまい、光実がガレージに駆けつける。直後に戦極凌馬も来て、「このままでは危ない、病院で自分が診よう」と言い、光実はわらをも掴む思いでそれに従う。

ヨモツヘグリのロックシードで龍玄・黄泉に変身した光実。そのロックシードは装着者の生命力を吸うことにより、強大な力を発揮するという恐ろしいものだった。極アームズとなった鎧武に龍玄の一撃が炸裂する。

龍玄・黄泉の一撃により倒された紘汰をチャッキーとペコが見つけ、ガレージへと運ぶ。一方、進化を遂げた戒斗は、インベスを呼び出してこの世界を新しく作り変えると宣言。耀子は戒斗側に立つと決心する。

戒斗は、2人の決着をつけようと紘汰に向かって宣言。世界を滅ぼし、黄金の果実を手に入れる戒斗の決意は揺るがない。紘汰はザックの行動が気になっていた。ザックはひとり作戦を立て、凰蓮と連絡を取る。

ぶつかりあう鎧武とバロン。並行世界へ迷い込んだ舞の目の前でも、戦う2人の姿があった。舞は弱者の痛みを知り、戒斗の目指す未来も理解できているが、今は決戦の行方を見届けることしかできなかった。

紘汰と舞はヘルヘイムの植物、インベスを連れ去り、別の星へと旅立った。7カ月後、光実の気持ちは沈んだままで、兄との間はまだぎこちなく、時間だけが過ぎていた。一方で、沢芽市は活気を取り戻しつつあった。