デビルマン

ヒマラヤ連峰の深奥から、魔王ゼノンの配下である3体の悪魔が現れた。その中の1人・デビルマンは、皆殺しにした登山客の中から不動明を選び、肉体を乗っ取ると彼に成り済まして日本に帰国する。

魔王ゼノンのもとに信じられない知らせが届く。不動明ことデビルマンが居候先の娘・牧村ミキに心を奪われ、デーモン族を裏切ることを決心したというのだ。ゼノンは確認すべくマダム・シレーヌを人間界に送り込む。

デビルマン抹殺のため、ゼノンは妖獣ゲルゲを刺客として送り込んだ。溶解液を吐き、自由自在に姿を変える上に再生能力も備えた強敵だ。ゲルゲは不敵にも、夜明けまでに牧村ミキを殺すと言い放つ。

人間界を滅ぼすというデビルマンの任務は、魔将軍ザンニンに引き継がれた。ザンニンの配下である妖獣ベトラは、分身であるクモを人間に憑依させて凶行に走らせようとするが、デビルマンに陰謀を見抜かれてしまう。

明は転校生の氷村とバイクで勝負をしている途中、洞窟の中で眠る氷漬けの美女を発見。彼女の名前はリタで、明と同じくデーモン族を裏切った女だ。リタの身柄は牧村研究所へ運ばれたが、氷室が運び去ってしまう。

デビルマン討伐の命を受けた妖人ロクフェルは、ザンニンの指揮下に入ることを拒み、独断で人間界に潜入。彼は耕三を捕らえ、デビルマンをおびき出して交戦。しかし敗北し、ザンニンに罵倒され制裁を受ける。

ズールは粘土で人形を作り、その人形を破壊することを楽しみとするデーモンだった。人形を壊すと、モデルとなった人間も同じ運命をたどるのだ。ズールは氷村を通してミキの肖像画を入手し、彼女の人形を作り始める。

ミキを狙う妖獣イヤモンは、岩見モコという少女に姿を変えて学園に潜入し、授業中に生気を吸い取ってしまう。明はモコの正体がゼノンが送り込んできた妖獣と見抜き、デビルマンに変身して拷問を加える。

妖獣ゴンドローマは自らの指をもぎ取って無数の分身を生み出し、催眠術にかけた生物に憑依して自由に操る能力を持っている。ゴンドローマはハツカネズミや黒猫の姿で潜伏し、やがて牧村家の人々を襲う。

ゼノンの刺客・ガン三兄弟がデビルマンを狙う。ガンダガンが牧村邸の食堂に、ガンダーが名門学園の教室に現れるが、デビルマンが勝利する。だが、ガン三兄弟は目さえ残っていれば何度でも再生可能な妖獣だった。

美貌で人を惑わせる悪魔・妖花ラフレールが牧村一家の前に現れ、明は下水道坑に飛び込んでデビルマンに変身。しかし、発生した稲妻のせいで耕三が重傷を負い、明はそのせいでミキと仲違いして家を飛び出してしまう。

ゼノンは、火焔妖獣ファイアムに双頭獣アギュラーをザンニンのもとへ届ける任務を与えた。ファイラムはついでにコンビナートを炎上させつつ任務を果たすも、軽口が災いしてザンニンから折檻を食らってしまう。

水中戦に絶対の自信を持つ妖獣マーメイムは、共闘を拒むザンニンを幽閉し、人間界に向かう。そして牧村家と明を襲い、巨大真珠貝に閉じ込めてしまった。明はミキが失神した隙にデビルマンに変身する。

重傷を負ったミキの手術が始まる。明はデーモン族に憤激するが、考えてみればミキが頻繁に危険にさらされるのは自分がそばにいるからだ。ミキが命を取り留めたことを確認すると、明は人間界を後にする。

両腕が意志とは関係なく動きだし、人を殺すという怪事件が続発。加害者の全員が鏡の中に腕のない女の姿を見たと話す。妖獣エバインの仕業と気づいた明は、名門学園に現れた彼女を鏡から追い出すことに成功する。

流星雨の降る夜空に、子供たちだけが赤く輝く妖星を見つけた。妖星を見た子供たちの夢の中に美女の生首が現れ、真夜中の12時に赤い星のもとに集結せよと命令。子供たちは寝床を抜け出し、深い川のほとりへ向かう。

切手を配って紙芝居を見せる老人が町に現れる。妖将軍ムザンが配下の精鋭妖獣ダゴンに対し、老い先短い大人は放っておいて子供を第一に狙うよう指令したのだ。居合わせた明は霧の中に消えた紙芝居屋を追うが…。

喫茶店「チャコ」の新人ウェイトレス・魔矢子の美貌を一目見た途端、男たちはとりこになり、自分のものにしようと殺しあいを始めてしまう。魔矢子の現れた場所には、必ず銀色に光る粘液の長い跡が残されていた。

タレちゃんはマネキンが動くのを目撃して以来、人形も生命を持っているのだと思い込んでいた。ある夜、彼はマネキンと間違えてミキを殺してしまったと勘違いし、姿を消そうと決め、別れを告げにミヨちゃんを訪ねる。

人間離れした運動能力を持つ少年・友田光一が名門学園に転校してきた。その後、千夜子が明たちの目の前で氷漬けになる事件が発生。タレちゃんとミヨちゃんも凍らされ、デーモンの痕跡を探す明も被害に遭ってしまう。

妖将軍ムザンは人食い妖獣ドローを人間界に送り込む。名門学園に潜入したドローは塗装工を惨殺し、餌食を求めて校内を徘徊。そこで明はデビルマンに変身し、校内は悪魔戦士と妖獣の対決にパニックに陥る。

ミキが姿を消した。アルフォンヌ先生とポチ校長は前夜、月の光の下で明がミキを川に突き落とす現場を目撃したと主張するが、そもそも昨夜は月など出ていなかったはず。2人はデーモンに幻を見せられたに違いない。

タレちゃんが、学術調査に赴く父・耕三の乗った旅客機に忍び込み、チベットに密航する。ミキと明も現地に飛んで耕三と合流し、チベット特有の鳥葬の葬列に遭遇。だがその夜、死者が戻ってきて次々と村人を殺害する。

妖獣ジャコンの目に魅入られた人間の魂は肉体から離脱し、心の奥底に潜む欲望のままに行動を始め、満足するやジャコンにむさぼり食われてしまう。そして、抜け殻のような生ける屍だけが残るのだった。

子飼いの妖獣ジャコンを倒され、妖将軍ムザンは自ら出陣する。彼は、空間を縫合する魔力で名門学園を出入り不可能な次元断層に密閉。明の前に現れ、仲間たちを助けたければひざまずいてゼノンの裁きを受けよと迫る。

明たちを乗せて雪山へ向かう列車で騒動が発生。窓の外から女の幽霊がのぞき込んでいたというのだ。幽霊の正体は、美貌を見せびらかしに現れたデーモン族の娘・妖獣ララ。彼女の任務は妖獣ドドへの伝令だった。

妖元帥レイコックが人間界に現れ、無数の宝石を地上に降らせた。人々は宝石を奪いあい、拾われた宝石は人語を発し、言葉巧みに持ち主のさらなる欲望をあおる。そして人々は集団強盗と化し、銀行を襲う。

レイコックの指令を受けた妖獣ミニヨンが、魔力で人間を縮小し始めた。運転手が小さくなった電車は暴走し、空港では管制官が餌食となり、旅客機同士の衝突事故が発生。文明の利器が凶器と化してしまう。

真夜中。眠っている人々の枕元にネックレスが現れる。そして、朝になって着けてみた者の身に異変が発生。首から上が消失してしまったのだ。このネックレスは妖獣ケネトスが仕掛けたわなで、明は早速行動を起こす。

妖獣ファイゼルの影の中に入った途端、人々は知性や教養をかなぐり捨て、獣の本性をむき出しに暴れ始めた。ファイゼルは、デビルアイすら届かない超高空で太陽を覆い隠しているので、デビルマンも手が出せない。

デーモン族を裏切ったララを罰するため、レイコックはキルスキイを差し向けた。しらふの時はさえないが、好物のカクテル、スターダストを飲むと豹変する酒癖の悪い妖獣だ。彼はデビルマンを窮地に追い込む。

新たな刺客・妖獣オーロラはララの魔界での友達だった。オーロラはララを訪ね、デビルマンに会わせてほしいと頼む。明を紹介されたオーロラは、全身から強い光を放出して視界を奪い、火球を放って攻撃に出る。

レイコックは妖獣ウエザースに、人間界を恐怖のどん底に落とすよう命じた。ウエザースの魔力により、人間界は冬なのに赤道直下のような熱気に覆われる。かと思うと一転して空が曇り、ブリザードが発生する。

レイコックのマキシドレスが、妖獣アルロンに変わった。アルロンは明に果たし状を叩きつけ、決闘の場に指定した港の第一埠頭で待つ。だが、そこへ向かったのは明ではなく、偶然果たし状を目にしたララだった。

名門学園に異変が起きる。明を除く全ての人々が、彫像のように動かなくなってしまったのだ。街に出た明は、自らデビルマン抹殺に乗り出してきた妖元帥レイコックに遭遇。デビルカッターを頭部の角に炸裂させるが…。

富士山が噴火し、灼熱の溶岩が降り注ぎ街はパニックに陥る。ララも上空から飛来した溶岩獣マグドラーに溶岩を浴びせられ、明に愛してると投げキスをしながら絶命。明はデビルマンに変身し、ララの敵討ちに臨む。

ドライブ中のアルフォンヌが不思議な花を一輪見つけた。花は瞬く間に咲き乱れ、根を張った一帯の全てのものを食い尽くしてしまった。正体はゼノン秘蔵の妖獣ウッドドウで、根を足代わりにして歩いて街へと向かう。

月が地球に接近。引力が増大したため猛烈な高潮が地球の西から東へと移動し、日本の周囲から海が消え失せてしまった。次の満月の夜が来れば、人類は残らず宇宙へと吸い上げられてしまう事態となった。

羽田空港にバベルの塔が、銀座にはスフィンクスが出現した。不審に思う明の前に現れた妖獣ゴッドは、ミキに正体をばらされたくなければ、自分の邪魔をしないよう明に求める。苦悩する明だったが…。