猫のダヤン

雪の降る夜。ダヤンは子供たちで賑やかな飼い主・リーマちゃんの家を逃れ、外に出た。坂道の先の不思議な光に誘われたダヤンは、光の中に大きな扉を発見。扉を開くと、たくさんの動物たちがダヤンを待っていた。

わちふぃーるどに来て3カ月。マーシィの誕生パーティから戻ったダヤンは、自分の誕生日を知らないことに気づく。ジタンの助言で、多くの貢ぎ物を手に3人の魔女のもとへ向かい、誕生日を見つけてもらうことにした。

待望の誕生日を迎えたダヤン。盛大なパーティにしようと、友達をたくさん呼んだが、3人の魔女を招待することをすっかり忘れていた。怒った魔女3人がダヤンから誕生日を奪うと、ダヤンは赤ちゃんになってしまう。

ある朝、ダヤンの前に夢を食べるバクが現れた。ダヤンの夢が一番おいしいと言うバクに、ダヤンは一緒に暮らさないかと提案。世話好きのバクと共に、昼寝し放題の楽しい共同生活を送るダヤンだったが…。

昼寝をしなくなったダヤンに対し、空腹を我慢できなくなったバク。そんな切羽詰まった様子が怖くなったダヤンは、マーシィやイワンなどの家に泊まる。そして数日ぶりにダヤンが家に戻ると、バクはいなくなっていた。

ある朝、目を覚ましたダヤンは、またしても赤ちゃんになっていた。3人の魔女の仕業だと考えるが、どうもそうではないらしい。ダヤンの歳を盗んだのは、魔女のピクルスのお付きの大ガラスだった。

ダヤンが赤ちゃんになってしまった日の朝、マーシィの弟・シームが大ガラスから歳を買った。早く大きくなりたいシームはダヤンを潰してしまう。同じ頃、ダヤンの仕返しを恐れた3人の魔女が行動に出る。

ダヤンは拾った木に目と口を描き、ウィザーロークと命名して門番にした。ある日、休みをもらったロークは原っぱで遅咲きのタンポポと友達になる。一日中おしゃべりをして、次の休みにまた会おうと約束するが…。

ロークがいなくなって数日がたったある日。リスの家に届け物をしたイワンは、そこでロークが倒れているのを発見。イワンはロークを連れて帰ると、家の前に転がしておいた。そして雪が降り、やがて春が訪れる。

朝の空に何かを発見したダヤンは、小麦粉を買いに走る。そしてマーシィと一緒に料理を始め、ダヤンが大好きなねずみパンが完成。庭で空に浮かぶねずみの形をしたねずみ雲を眺めながら、ダヤンはねずみパンを頬張る。

屋根の上で世界名作絵本を読んでいたダヤンは、睡魔に襲われ絵本を落としてしまう。落ちた拍子に、左足が折れてしまったピノキオが驚いて本から出てきた。ダヤンはピノキオを連れて、木工細工名人のイワンを訪ねる。

ダヤンのねずみパンを食べたピノキオが食べていないと嘘をつくと、鼻がどんどん伸び始める。驚いたピノキオが謝ると、鼻は少しずつ元に戻っていく。ダヤンはピノキオを本の中に戻そうとするが、ピノキオは嫌がる。

ある日、イワンはタンポポに夢中なロークのために惚れ薬を作り、ダヤンに渡した。植物にしか効かないというその薬だが、ダヤンは試しに飲んでしまう。すぐに吐き出すと、そこに一輪の花が咲いていた。

ダヤンが自宅にいないことに気づいたジタンは、イワンに惚れ薬の話を聞き、イワンとロークと共にダヤンを探し始める。その頃、フォーンの森ではダヤンとアネモネ王女の結婚式の前祝いで、みんなが朝まで踊っていた。

森から逃げたダヤンだったが、丸一日寝ていなかったため途中で眠ってしまう。その頃、ジタンたちは、ダヤンが念のために落としておいた豆を手掛かりにフォーンの森にたどり着き、そこで眠っているダヤンを見つける。

森を散歩中に野いちごをたくさん摘んだダヤンは、イワンやシーム、カドリーに出会い、1粒ずつあげる。ダヤンは、もう誰にも会わないようにと走るが転倒。こぼれ落ちた野いちごをリスたちが食べてしまった。

フォーンの森でキノコを採ったダヤンとマーシィは、いたずら妖精のファニィにだまされて森に閉じ込められた。マーシィのおかげで何とか呪文が解けて森を出たダヤンだったが、キノコを森に置いてきてしまった。

土砂降りの雨の中でカエルと出会うダヤンとジタン。雨の音が好きだと話すカエルに、ダヤンは雨の木曜に開かれるあるパーティへ誘う。木曜日を知らないというカエルに、2人は曜日のカレンダーを教えてあげた。

ダヤンがカエルと約束してから3週目の木曜日、ついに雨が降った。ウィリーの家を訪れたカエルは仲間たちを連れてきて、雨の音の中にカエルの声を響かせる。そこへ3人の魔女も駆けつけ、ますます盛り上がるのだった。

タシルの街を襲った大雨が上がり、大きな水たまりができた。水たまりをのぞき込んだダヤンは、そこに誰かの手を発見。不思議に思って水面に触れると、水たまりの中に引きずり込まれてしまった。

ダヤンはガラスで光を反射させることにするが、光に気づいたマーシィまでも水たまりの中に引きずり込まれてしまった。そこへ、魔女のジンジャーが現れてほうきから糸を垂らし、みんなで懸命に救出を試みる。

ジタンの家に来たダヤンが地下室をのぞくと、ジタンの指揮に合わせてムジカと虫たちが弦を弾いていた。ジタンの誕生日に森で音楽会をやることを知ったダヤンは、ジタンにも誕生日があったことに驚く。

ジタンの音楽会の当日。ジタンが演奏会場に行くと、そこにはみんなの姿があった。そこでダヤンたちはビンを吹く音で誕生日を祝う音楽を奏で、上空では3人の魔女が煙で「Happy Birthday Jitan」の文字を描いた。

ダヤンがわちふぃーるどに来る前の話。ダヤンは夜中にネバネバ光る銀色のリボンを発見。たどっていくと、光り輝く大勢のカタツムリがいた。「月ヲヌケテ、イイトコロニイクンダ」と話すカタツムリたちが空を目指す。

ハロウィンの夜、ダヤンがひとり寂しい気持ちで眠っていると、アルスに残してきた弟・ジュダとカシスがカボチャの馬車で迎えにきた。パーティが開かれるという月に着くと、ダヤンの飼い主・リーマちゃんがいた。

タシルの街で、大昔にカシガリ山に住んでいた「大魔女セ」に感謝の気持ちを込め、供え物を捧げるお祭りが始まった。大魔女のひ孫にあたる3人の魔女の末っ子・ピクルスは、姉の2人に祭りへの参加を反対される。

ピクルスは、供え物を捧げにカシガリ山へ向かう一行の中に紛れ込んだ。周囲は誰もピクルスだと気づかない。変装したピクルスのことをすっかり気に入ったイワンは、ピクルスに熱心に声をかける。

暖かい秋のある日、屋根の上で昼寝をしているダヤンのそばを1枚の羽根が飛んでいった。羽根はマーシィやシーム、イワンらの周りを飛び、家でバイオリンの練習をしているジタンの帽子の中で鳥になり、家路につく。

旅のサーカス団、マージョリーノエルがやってきた。団員が紹介され、最後に団長の大山猫と一緒に、サーカスの花形のジタンが馬車に乗って登場。みんなが夜の公演を心待ちにするなか、ダヤンが風邪をひいてしまう。

マージョリーノエルの公演は3日間だが、風邪で寝込んでしまったダヤンは2日目も見にいけない。そんな時、近くでサーカスの音楽が聞こえる。何と、ジタンがダヤンだけのためにキッチンサーカスを催してくれたのだ。

わちふぃーるどでは12月に雪の神をたたえるヨールカのお祭りが催され、タシルの街はその準備で大忙しだ。イワンは森からツリーを調達し、ダヤンはウィリーと一緒にジンジャークッキーを作ることになる。

わちふぃーるど最大のお祭りであるヨールカの5日前、ヨールカ当日にアルスからやってくる1匹の動物を迎えるため、北の動物たちが浜辺に集まる。ダヤンたちも次々と浜を訪れ、彼らと楽しい時間を過ごした。

ヨールカのお祭り当日。タシルの住民と北の動物たちは、ヨールカが執り行われる山の頂上に着くと、雪の神を起こすために踊り始める。すると、空に現れたヨールカの扉が開き、シロクマの赤ちゃんが落ちてきた。

ダヤンがシームを連れてトロル川に釣りをしにくると、カワウソが魚を捕っていた。2人も釣り竿で釣ろうとするが、なかなか釣れない。ダヤンはシームを促し、幻の魚・リンドロンが大量に釣れたと一緒に歌いだす。

家が埋まるほど雪が積もった日、煙突から家に入ろうとしたダヤンはそのまま落ちて気絶する。しかしそこはスカンクの家で、家族はダヤンを食べる相談を開始。目が覚めたダヤンはその話を聞いて仰天する。

マーシィとシームと共にピクニックに来たダヤンは、どんぐりに顔を描いて言うことを聞く人形を作った。それを見たシームはたくさんのどんぐりで兵隊を作るが、川を渡ると顔が消え、ただのどんぐりに戻ってしまう。

冬の仕事をしにタシルの街に来た風の結び目は、ダヤンとマーシィに、オーロラの切れ端を好きな色に染めて小さなオーロラを作ろうと誘う。こうして次の日、湖に集まったみんながきれいなオーロラを出現させた。

ダヤンはフーピィに連れられてからまつ林を訪れ、みんなと木鬼影鬼をする。木鬼影鬼は鬼に自分の影を踏まれたら鬼を交代する遊びで、鬼以外は影を踏まれないように、木の影に自分の影を隠して逃げるのだった。

3人の魔女は森が騒がしいことに気づき、原因を知るために代表してピクルスが様子を見にいくことになった。ダヤンたちから事情を聞いたピクルスは、光の球を投げて辺りを明るく照らし、影を作った。

スリックさんは長い間1人でいたせいで、ふさぎの虫に取りつかれた。さらに、なげきやねたみの虫なども出現。様子を見にきたダヤンたちにも虫が取りつく。そこへ、自分も取りつかれたい月のおばさんがやってきた。

夕陽の金色を瞳に分けてもらうため、ダヤンは猫の島で開かれる猫会議にマーシィやイワンたちを連れてきた。魔女からもらったニャードロップでネコになったみんなとなまけていると、みんなの喉がゴロゴロ鳴り始めた。

ジタンが猫の島に着くと、島はなまけの気ですっぽり覆われていた。なまけものの木に体が取り込まれているダヤンたちを見たジタンは、ダヤンの足の裏をくすぐって笑わせるが、千年なまけまでもが大笑いし始める。

マーシィが幼い頃、マーシィのお父さんはトール山に金が出たと聞き、ひと山当てようと家を出ていってしまった。その後マーシィは、お父さんが帰ってくると信じて、生まれた3つ子の妹たちの面倒を見始めるのだった。

誕生日におめかしをしてお父さんを待っていたマーシィだったが、3つ子の妹たちにお願いされて散歩に出かける。しかし、雨に降られてせっかくのおめかしが台無しになり、マーシィは泣きじゃくるのだが…。

イワンの子供の頃の話を聞くことになったダヤンたち。アルスの動物園で生まれたイワンは、小さな動物園で暮らすのが嫌で、ママに聞いた動物の国に行くため、コウノトリのシュービルさんを訪ねたという。

シュービルさんにママから渡されたうろこを見せたイワンは、わちふぃーるどに連れていってもらうことになるが、重量オーバーで森に転落。その日から森が自分を育ててくれたと話すイワンに、ダヤンは誕生日を聞く。

ダヤンの家でみんなとお茶を飲んでいた郵便配達員のギヴが、配達の続きをしようと外に出た時、手紙が風で飛んでいってしまう。マーシィやイワンたちも手伝って手紙を探すなか、ダヤンはひとり家でお茶を飲んでいた。

ダヤンとフーピーは、なまずのおばさんの駄菓子屋にやってきた。無愛想なおばさんが、初めてのお客さんにだけは自分から話しかけるのを知ったダヤンは不思議に思う。後日、おばさんは泣きながら息子の話を始める。

なまずのおばさんは、7年前に息子のカイを亡くした時、亀から7年たったら息子が生まれ変わると聞いたと言う。そんな時、「川に生まれ変わった」というカイの声と共に、なまずの形をした水のこぶが現れる。

時の流れ星に願い事をすると願いが叶うというパシュールナイトの夜、きれいな流れ星を近くで見たいとつぶやいたダヤン。流れ星に乗ることまで叶ったダヤンは、「お兄ちゃんに会いにいく」と言う白い子猫と出会う。

満月が輝く夜、自分を呼ぶ声に目を覚ましたダヤンは、声の主が自分の影だと知って驚く。今日は年に1度の影たちのお祭りで、1日だけ自由になれるという。ダヤンは自分の影にチップと名付け、お祭りを見にいく。

影たちを引き止めたいダヤンはジタンと共にみんなを起こし、一緒に影たちのもとへ向かい、ジタンは月のおばさんに応援を頼む。ダヤンたちが影たちを引き止めているとジタンの演奏で音楽が流れ、みんなが踊り始める。