家庭にインターネットが普及してから、既に20年以上が経過しました。過去にはISDNやADSL、そして現在の光回線とさまざまなネットが登場しています。現在の主流である光回線は過去のネット回線となにが違うのでしょうか。
光回線について調べたとき、これらの疑問が頭に浮かぶ人が多いと思われます。
そこで今回は、いまさら聞けない「光回線とは?」をテーマに、光回線の基礎知識を初心者者にもわかりやすく解説します。
【2022年9月最新】おすすめ光回線一覧
光回線 | ![]() |
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月額料金 | 戸建て:5,200円〜 マンション:2,090円〜 |
戸建て:5,270円 マンション:4,400円 |
戸建て:5,610円〜 マンション:4,180円〜 |
戸建て:5,720円 マンション:4,180円 |
戸建て:5,610円 マンション:4,180円 |
スマホ セット割引 |
ソフトバンク nuroモバイル |
ドコモ | au UQモバイル |
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通信速度 | |||||
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光回線とは光ファイバーでできたネットの伝送路
光回線とは、一般的に光ファイバーを指して表現しています。光ファイバーは石英ガラスやプラスチックを素材とし、繊維状に束ねて伝送路やケーブルとして活用されています。光ファイバーの種類にもさまざまありますが、透過率が高くて軽量、柔軟性があるのが特徴です。
普通のケーブルのようにコアと呼ばれる中心の心材を覆い、コアとクラッドの二重構造でネットワーク網を構築しています。これがみなさんの自宅に行き渡る光回線「光ファイバー網」です。このネットワーク網を通じて、普段我々がインターネット通信ができるのです。
光回線の正体が光ファイバーとわかったところで、どのように我々が普段から光回線を使っているのかを解説します。
(1)光回線はどこから来てどこを通っている?
光回線は基地局 → 交換局 → 電線の順に通り、終端回線装置へとデータを伝送しています。

基地局とは、光回線や電話回線などを収容している設備です。収容局とも呼ばれ、インターネット通信を行なうための主要部分になります。そして交換局とは、基地局と電線をつなぐ中継地点です。
携帯電話やテレビなどは、基地局に設置されたアンテナが電波を受信することによって、通話やテレビ中継を可能にしています。対して光回線は、電波ではなく光ファイバーケーブルを直接基地局につなげてインターネット通信を行ないます。
(2)光回線でネットがつながる仕組み
パソコンなどのHDD内にあるデータは、ONUやルーターと呼ばれる終端回線装置を通して光回線のなかを駆け巡らせています。光回線、つまり光ファイバーケーブルのなかでは、光信号が常に伝送されている状態です。
目に見えない情報としてのデータは、信号として光回線から端末へと送られています。端末内のデータは電気信号を読み取ることで解析され、数字や文章、画像などで表現されます。光回線内では光信号が駆け巡っているので、電気信号のままでは端末がデータを読み取ることができません。
そこで登場するのがONUなどの終端回線装置。光回線から送られてくる光信号を終端回線装置が電気信号に変え、パソコンなどの端末をデータとして読み取ることが可能になります。普段私たちが使っているインターネットは、データや音声を光から電気に相互変換して通信を行っているのです。
変換できるのは信号だけではなく、WiFiなどの無線電波に変えることができます。光回線のルーターにWiFi機能が搭載されているのは、機器に信号を電波に変える変換機能が備わっているからです。
(3)光回線の種類
現在の光回線は、ネット回線とプロバイダ一括型の光通信インターネットの総称で、国内の光回線の場合は3種類に分けられます。
- NTT東西が運営している光回線(ライトファイバー)
- NTTが使っていない光回線を間借りしている光回線(ダークファイバー)
- 電力会社が運営している光回線(電力系)
全国で使える光コラボは、その前身となるフレッツ光が母体の光回線です。フレッツ光はNTT東西が運営している光回線で、光コラボは電気通信事業者たちが間借りして使用しています。現在進行形で使われているNTT東西の光回線をライトファイバーと呼びます。
対して、NTT東西が現在使用していない光回線をダークファイバーと呼びます。NTT東西が使用していない光回線を間借りして、独自に提供しているものは「独自回線」とも呼ばれています。NURO光や一部地域のauひかりがこれに当てはまります。
最後にNTT東西が保有しているものではなく、各地の電力会社が運営している光回線が「電力系」と呼ばれています。
このようにフレッツ光、独自回線、電力系と3種類に分かれていますが、ライトファイバーとダークファイバーはどちらもNTT東西が保有する光回線です。運営しているか寝かせているかの違いです。
このことから、国内の光回線は厳密にいえば「NTTが保有するものと電力会社が運営する2種類」に大別されます。
(4)光回線とISDNとADSLの違い
光回線が登場する以前のネット回線は、ISDNとADSLという「2つの電話回線を使用したネット」が主流でした。光回線は先述の通り、光ファイバーを使用したデジタル回線です。
それに対し、ADSLとISDNは電話回線を利用し、それぞれアナログとデジタルで差別化されています。
それぞれ3つのネット回線の特徴を見てみましょう。
光回線 | 光ファイバーを使用したデジタル回線 |
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ADSL | 電話回線を使用したアナログ回線 |
ISDN | ダイヤルアップ接続のデジタル回線 |
ADSLは電話回線で電気信号を送受信するため、ノイズの影響を受けやすく、基地局からの距離が遠くなるほど通信速度が遅くなる特徴があります。電話回線を使用しているため、ネットの最中に電話が鳴ると切断される恐れもあります。
ISDNは電話回線を使用していますが、光回線と同じデジタル信号で送受信が行なわれています。ネットの接続方法が特殊で、ダイヤルアップという電話をかけてインターネットに接続する必要があります。
- 光回線 – 常時接続可能(ネットの距離や電話などの影響を受けない)
- ADSL – 常時接続可能(基地局から遠く、電話がかかってきた場合に不安定化)
- ISDN – 従量課金型ネット接続(電話がかかってきた場合に不安定化)
今でこそ常時接続が当然の環境となりましたが、昔はネットにつなげるのにも電話代がかかる時代があったのです。ISDN時代は、ネットにつなげると独特の発信音が流れたり、深夜帯が接続料が無料となる「テレホタイム」というサービスがありました。
ネット通信の安定度も光回線の登場で高品質化が進みました。
光ファイバーケーブルに採用している素材は、ノイズの影響を受けにくく通信が安定しているのが特徴です。従来の電話回線は、メタル線を通して声をアナログ信号に変換して通話を行なっていました。電話回線は相手との距離が離れるほど不安定となり、外部の影響も受けやすい脆弱なものです。
光回線は音声やデータを光信号に変換しているため、ノイズなどの影響も受けにくく、距離に関係なく安定した高速通信が可能になりました。
(5)光回線と自宅をつなぐのに必要なこと
当たり前のことですが、光回線を使うためには光回線とネットをつなぐ仕組みを作ることが必要になります。
- 光回線とプロバイダ契約
- 端末機器と終端回線装置
- 配線と接続機器の設置
光回線を提供している会社との契約が前提。そしてネットに接続するための端末機器と、それらをつなげるための設備が必要です。
現在はネット回線とプロバイダが一本化された契約が主流ですが、光回線のみ契約することも可能です。ですが、ネットにつなげるためには、プロバイダ契約は不可欠です。
(6)プロバイダの役割
インターネットにアクセスするためには、プロバイダ契約が絶対に必要です。なぜなら、プロバイダは光回線と端末を結ぶ光信号の仲介を行う役割があるからです。
NTT東西が運営している光回線は光信号が通るネットワーク。対してプロバイダは、その光信号がネットワークと端末を行き来するための設備を提供しています。
例えば車や電車で旅行をする際、駅や高速道路を利用するとします。線路や高速道路を運営しているのがNTT東西なら、その入り口の改札や料金所がプロバイダです。
プロバイダと契約すると、自宅には認証IDやパスワードが送られてきます。これらを設定しないとネットに接続できませんよね?つまり、IDやパスワードがネットへのチケットやパスポートのようなものです。
プロバイダとは、ネットにアクセスするための入退場門のような存在です。
光回線のメリットとデメリット
ネット回線の最高峰として登場してから、生活に浸透している光回線。みなさんは、光回線のメリットとデメリットをしっかり把握しているでしょうか。
ここでは光回線のメリットとデメリットをおさらいしていきます。
(1)光回線のメリット
- 常時接続の安定した高速通信
- スマホのセット割引などの特典がある
- 光電話や光テレビが使える
快適なネット生活の最高峰なので、1はいうまでもなく光回線最大のメリットです。2と3は光回線独自のサービスとして、今では一般的に知られています。
契約したプロバイダごとにサービスの違いはありますが、概要はほぼどの会社も同じです。特定のサービスを利用していない人には無関係になりがちですが、もしも使えるサービスがあれば利用しない手はないメリットです。
①運営ごとにスマホなどのさまざまな割引制度がある
- ドコモ光セット割
- auスマートバリュー、auセット割、auでんき
- おうち割 光セット、おうち割 光セット(A)、おうちでんき
- その他、格安SIMセット割など
光回線にはスマホや電気とのセット割があります。特定のプロバイダとセット契約することで、スマホや電気代、光回線の料金が割引される特典です。
国内の古参スマホキャリアほど多くの割引特典を用意しており、auはそのなかでも対象となるプロバイダが圧倒的に多いキャリアです。
セット割以外にも高額キャッシュバックや長期割引制度、工事費無料などさまざまな特典が用意されているのも光回線の特徴です。申し込みの前には、公式HPや代理店を吟味することをおすすめします。
②電話やテレビ回線が光回線で利用できる
光回線では、光電話や光テレビなどのサービスを提供しています。従来の信号や電波ではない、光信号による受信だから音声や映像の乱れがなく、クリアな品質でサービスを利用できます。
先述したように光回線はノイズや外部の影響を受けにくく、大雨や強風、台風などの災害にも強いのが特徴です。電話回線はNTTとの契約ではないため、加入権を購入する必要がありません。また、プロバイダのプランによっては、IP電話同士、キャリアスマホとの無料通話サービスも提供されています。
唯一、停電時などの電力が供給されない状況には弱く、電源の確保が必要です。
(2)光回線のデメリット
導入を検討されている人にとって、デメリットらしいデメリットがないといえるのが光回線です。ここであげるデメリットとは「あえていうなら」レベルなので、一応参考として覚えておいてください。
- 工事費が高額
- 解約時の違約金が高額になりやすい
- 工事が必要な際には建物に傷をつける場合がある
- 自宅以外では使えない
光回線は実費だと高い買い物になりやすいものですが、各社新規入会キャンペーンで高額キャッシュバックや工事費無料キャンペーンなどが実施されています。一時期の高額なイメージは払しょくされており、月額料金は下手なポケット型wi-fiよりも安価なのが現状です。
最も注意すべき点は、解約時の違約金や初期工事の際に追加工事で高額支払いが発生してしまう点でしょう。契約・解約時の費用をあらかじめ確認し、なるべく出費を最小限に抑えるようにしましょう。

光回線の通信速度
外部の影響を受けにくいはずの光回線なのに、速度が遅く感じる瞬間があることはないでしょうか。光回線も完ぺきではないので、通信速度が低下してしまう瞬間が必ずあります。
どういったケースで遅くなるのか、ありがちなパターンについて説明します。
(1)光回線はなぜ遅くなる瞬間がある?
プロバイダのHPなどに「ベストエフォート型」という単語を見かけたことはないでしょうか。この言葉の意味は「定められた通信速度の上限を保証しないが、最大限に努力した結果の通信速度で提供」というものです。
つまりどういうことかというと、インターネット回線を正常に機能するために、プロバイダ側で速度制限をかけるケースがあるのです。また、負荷がかかるのはネットワークだけではなく、端末や接続機器にも同じことがいえます。
- 利用中のエリアで光回線に高負荷がかかっている
- 利用者が多くプロバイダ側で混雑している
- 接続機器に負荷がかかり、メモリが大量に消費されている
- 機器不良で正常に処理がされていない
- 光回線やプロバイダ側のネットワークトラブル
上記5つが通信速度が低下する主な原因です。
1と2は時間をずらすなど、人が多く利用する時間帯を避けるなどの対処方法になりますが、3以降は機器や設備が原因となるパターンです。設備や終端回線装置などの機器設備不良は再起動や交換、修理でなんとかなるケースもありますが、5のパターンでは復旧まで時間がかかってしまうことが考えられます。
(2)光回線とプロバイダはどちらが通信速度に影響する?
通信速度の上限は、使用している光回線で提示されている以上の速度は出せません。通信速度の表現で「速いプロバイダ」という言葉がありますが、光コラボならどのプロバイダも1Gbps以上を超えることはできません。この場合の速いとは「いかに上限に近づける通信速度を保てるか」という意味合いになります。
では、光回線とプロバイダはどちらが通信速度に影響が出るのでしょうか?どちらも影響するといえるのですが、同じ光回線を使っているという条件ならプロバイダの影響が強くなります。
光回線を道だとすれば、プロバイダは道に通じる入口です。同じひとつの道を利用している人達が、複数ある入口の一方に集中した場面を想像してみてください。道は整地されているのに、人がどんどん乗り込んでくるからいつまで経っても出発できない。まるで満員電車です。
プロバイダごとに光回線の設備は異なります。同じ光回線でプロバイダ選びに迷うようであれば、IPv6などの混雑回避の接続方式を採用している会社を選ぶのがベストです。
まとめ
光回線とひとくちにいっても、意味合いが異なったり種類が違うケースがあります。それぞれ人によっては受け取り方も違うので、もしも人に説明する機会があればこのように説明しましょう。
簡単にいえばネットの舞台が光回線であって、その出入口がプロバイダです。仕組みさえ覚えてしまえば、聞きなれない言葉や難しい内容でも頭のなかでイメージしやすくなります。