※特別編成時などにおいて、放送日時が異なる場合がございます。詳しくは各番組詳細ページでご確認ください。

デカ劇レギュラー放送

  • ゴリラ・警視庁捜査第8班 HDリマスター版

    ゴリラ・警視庁捜査第8班 HDリマスター版
    あらすじ

    多様化・凶悪化し、通常の警察力では対処困難な犯罪に対抗するため、警視庁上層部によって極秘裏に創設された機関が警視庁捜査第8班(通称:ゴリラ、G-8)である。指令は刑事部長から直接下され、いかなる事件にも介入できる権限ばかりでなく、メンバーには「グリーンカード」と呼ばれる殺人許可証が与えられ、彼らの命を賭した戦いが、ここから始まる !

    キャスト

    渡哲也、舘ひろし、神田正輝、谷川竜、加納みゆき(〜#30)、田中美奈子(#31〜)、秋山武史、谷啓、鈴木瑞穂 ほか

    制作年

    1989年初放送

    話数

    全45話 ※#18欠番

    (c)石原プロモーション

ページトップへ

『私鉄沿線97分署』『刑事貴族』に見る、90年代型刑事ドラマの傾向とは? 〜後編〜

  • プレハブ小屋の検視官から特殊部隊のCAPへ

     1984年10月、『西部警察』シリーズが約5年間の歴史に幕を降ろし、後番組として『私鉄沿線97分署』がスタートした。製作は国際放映だが、照明の椎野茂、録音の佐藤泰博ら石原プロのベテランがメインスタッフを務め、我らが団長こと渡哲也も検視官の榊俊作役でレギュラー出演している。当然といってしまえばそれまでだが、渡の演じ分けは見事で、とても約1週間前に国際的テロリスト・藤崎礼次郎(原田芳雄)と死闘を演じ、若き命を散らした大門圭介と同じ俳優が演じているとは思えぬほどのイメージの転換ぶりだった。当時、改めて俳優・渡哲也の底の広さを痛感させられた次第。

    刑事から傭兵へ〜'80年代後半的アクションの潮流

     さて、本稿は『ゴリラ警視庁 捜査第8班』に関する記事なので、少し先を急ごう。石原プロモーション自体は同じテレビ朝日系の火曜日夜9時に枠を移し、舘ひろし主演の『ただいま絶好調!』('85年)を製作・放送。新たな路線の開拓に余念がなかった。折しも時代はバブル絶頂期。アクションものは今さら……という時代の空気もあり、日本のブラウン管(当時は液晶なぞ夢のまた夢だった)からしばらく『西部警察』ばりのアクション・ドラマは姿を消すことに。
     だが、意外なところから火は再燃した。シルヴェスタ・スタローン主演の『ランボー』シリーズが人気を博し、『ターミネーター』('84年)でブレイクしたアーノルド・シュワルツェネッガーも新世代の肉弾派アクションスタートして頭角を顕し、共に我が国にアクション映画の新しい潮流をもたらした。特に『ゴリラ』放送の前('88)年には『ランボー』シリーズの第3弾『ランボー3/怒りのアフガン』が公開されて大ヒットしており、本作に少なからず影響を与えていると思われる。特に初期の傭兵調アクションにそれは顕著だ。

    石原プロ再起動、そして渡哲也初制作のアクション巨編

     そんな中、“やはり石原プロが製作するならアクションものが……”との声が内外から高まった結果、『西部警察』終了から約4年後の1989年4月、ついにテレビ朝日系毎週日曜日夜8時に再び石原プロ製作の大型アクション・ドラマが帰ってきた。それが『ゴリラ 警視庁捜査第8班』である。当時のキャッチコピーで“痛快無比のポリス・アドベンチャー”と謳われており、『西部警察』を超えるアクション・ドラマを目指していたことが明白だ。事実、本放送時にはスタート直前に古舘伊知郎が登場し、『西部警察』の映像を交えながらその部分を強調しつつ解説していた。
     石原プロ的な事情をいえばこの4年の間に石原裕次郎社長が逝去し、渡哲也が二代目社長に就任。制作会社としての再スタートと、渡哲也の初制作という二つのモニュメントを賭けた作品となり、その力の注ぎ様には並々ならぬものがあった。それは放送第1回目のスペシャル冒頭にて我らが裕次郎が写真出演し、その弔い火に渡演じる主人公・倉本省が戦線復帰を誓うシーンに象徴されている。なお、裕次郎の役名は『西部警察』の木暮と一字違いの“小暮”で、完全に『西部〜』へのオマージュ……というより『西部〜』を超えようとの全スタッフ一丸となった決意のほどが窺える。

    人は彼らをゴリラと呼んだ――第8班の顔ぶれ

     そうしてスタートした『ゴリラ〜』は、警視庁捜査1課所属の捜査第1〜7班では手に負えない難事件専門に担当する極秘部署・第8班の活躍を描いており、そのコンセプトは往年の大ヒットTVアニメーション『8(エイト)マン』('63年)と奇しくも同じである。メンバーは先述の倉本省をCAP(リーダー)に、伊達健(舘ひろし)、風間有悟(神田正輝)、谷川竜太郎(谷川竜)、高峰淳子(加納みゆき)→田中美奈子(田中美奈子)の5人+(プラス)お目付け役的存在の塩田直次郎(谷啓)。面白いのは、直次郎が第8班の予算管理も担当しており日々口ウルサく小言を言っている点。これは同じ渡哲也主演の『浮浪雲(はぐれぐも)』('78年)登場の名番頭・欲次郎(同じく谷啓が演じている)の現代版というかオマージュというか、この辺のスタッフの遊び心も石原プロ作品の魅力のひとつだろう。

    ゴリラ、驚異の重装備

     そんな彼らがひと度事件が発生するやコンバットスーツと呼ばれるアーミールックに身を包み、高性能ヘリコプター、高速艇、極度にチューンナップした覆面パトカーを駆使して悪を追い詰める。このアーミールックは舘の愛用ブランド・TETE HOMME(テット・オム)のオーダーメイド。覆面パトは三菱自動車提供の改造車輌で、GI(ギャラン/倉本用)、GII(スタリオン/伊達用)、GIII(デボネアV/風間用)、GIV(パジェロ/谷川用)の4騎に途中から淳子/美奈子用のGV(ミラージュ/エクリプス)が加わった。また、冬木武(秋山武史)が操縦する高速ヘリはG8と呼称されていた。
     初期は『西部警察』もかくやという爆破、カーチェイス、銃撃戦を展開したものの当初目指した視聴率的ハードルを超えられず、路線変更。脚本監修に御大、倉本聰を招き、彼の弟子が執筆するようになったところ、今度は1990年代の『西部警察』から“'90年代の『大都会』”の様相を呈し始めることに……。

    アクション・ドラマから人間ドラマへ――そして推測

     スペシャルエンターテインメント・アクションの前半、重厚な人間ドラマの後半と、人によって好みは別れるかもしれないが、石原プロドラマの両極面を楽しめる逸品としてこの機会にご鑑賞頂きたい。
     なお、本作のタイトルにして第8班のコードネームである“ゴリラ”の語源だが、シュワちゃんことシュワルツェネッガー主演のアクション映画『ゴリラ』が1986年に公開されており、その辺が元ネタになっている……というのはあくまでも筆者の推測の範疇に過ぎない。

ページトップへ