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デカ劇レギュラー放送

  • 代表取締役刑事 HDリマスター版

    代表取締役刑事 HDリマスター版
    あらすじ

    東京下町、辰巳署の刑事防犯課の心優しき刑事達が、今日も事件の捜査に駆け回る ! 防犯課の兵頭(舘ひろし)の元に、ボヤで済んだものの放火犯だという少年・勇太が連れてこられた。イタズラをすれば、愛人とハワイ旅行に出かけた母親が戻ってくると思ったらしい。兵頭は八方手を尽くしてハワイの母親との連絡を取る一方で、爆窃団と呼ばれる香港人の窃盗グループによる犯行が続発する(第1話「昨日・今日・明日」より)。

    キャスト

    舘ひろし、川野太郎、谷川竜、池田政典、高松英郎、安部譲二、渡哲也 ほか

    制作年

    1990年〜1991年初放送

    話数

    全45話

    (c)石原プロモーション

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『私鉄沿線97分署』『刑事貴族』に見る、90年代型刑事ドラマの傾向とは? 〜後編〜

  • 公務員にして代表取締役!?

    『代表取締役刑事』……「だいひょうとりしまりやく……デカ? どういうこと!?」。初めてこのタイトルを目にした誰もが思わず心の底でそうつぶやいてしまったことと思う。それだけインパクトの強い番組タイトルといえる。刑事は本来、地方もしくは国家公務員である。その刑事に“代表取締役”の肩書きが付くのは一体何故だろう? そもそも代表取締役とは株式会社を代表する権限、代表権を有する取締役を指して言う言葉だ。意思決定機関である株主総会及び取締役会の決議に基づいて独自に会社の契約等の行為を行うことが可能……つまり会社という法人機関の“人格”たる存在といっても過言ではない。一見、不思議な違和感を覚える本作のタイトルは“社会において市民を守る刑事は、企業で社員を守る代表取締役と同じ”との意図の下に命名されたとのことだが、つまり本作に登場する警視庁辰巳警察署の刑事たちは市民を代表する権限を持ち、法に基づいてさまざまな犯罪を取り締まる行為を単独で行うことが可能……ということになる。実はそれこそが刑事の基本理念であり原点でもある。

    1990年代的『大都会-闘いの日々-』

    『西部警察』シリーズ5年、その流れを汲む『ゴリラ 警視庁捜査第8班』('89年)で刑事のもうひとつの側面であるアクション、バトルを極めた石原プロモーションが、まさに刑事の“原点”に立ち返って企画した作品がこの『代表取締役刑事』だった。そして石原プロ製作の刑事ドラマの原点といえば『大都会-闘いの日々-』('76年)となる。『大都会〜』はシリーズを重ねるにつれ『西部警察』の原型ともいうべきハード・バイオレンス作品の様相を呈していくが、名匠・倉本聰がメインライターを務めた第1作目は、市井に密かに忍び寄る暴力組織の闇を払拭すべく結成された警視庁・城西署の深町行男(佐藤慶)率いる深町軍団の一刑事、黒岩頼介ことクロ(渡哲也)が、刑事であるが故に背負ってしまった苦悩と日々闘いながら地道な犯罪捜査を行う姿を描く人間ドラマだった。ここでの“刑事”はあくまでも主人公の職業という扱いでしかなく、物語は毎回主人公・クロと彼を取り巻く人間模様を紡いでいく。この『代表取締役刑事』も同じで、東京の下町・月島にある警視庁・辰巳署の刑事防犯課を舞台に主人公で係長、警部補の兵頭真
    (舘ひろし)が上司の橘謙司警部(渡哲也)や信頼する部下たちに支えられながら日々職務に従事する姿を描いている。

    人間ドラマの匠が紡ぐ厚く重い、そしてオシャレなストーリー

    『大都会-闘いの日々-』もそうだったように、今作でもメインライターには人間ドラマの名手、脚本家の市川森一を迎え、毎回決して奇をてらわない、地に足の着いた物語が展開していくことに。 ここで特筆すべきは各話のサブタイトル。「旅路の果て」、「特別な一日」、「俺たちに明日はない」……どこかで聞き憶えがあるのでは? そう、いずれも往年の名作映画のタイトルばかり。これは先述の市川氏のアイディアだった。市川氏の映画好きは有名で……というより映画好きが講じて脚本家になった市川氏らしい奇抜なアイディアといえる。字面だけでなく内容もその映画にオマージュを捧げたものとなっており、例えば第35話の「俺たちに明日はない」(脚本:市川森一/監督:江崎実生)ではゲストの石野真子・新井康弘演じる夫婦がボニー& クライドよろしくやむにやまれぬ事情から犯罪に手を染め、追い詰められていく様を描いていた。また、同じ市川脚本の第33話「嘆きの天使」(監督:西村潔)では1990年に発生した事件を題材に“いじめ問題”に市川氏なりのメスを入れ、単なるオマージュに留まらず一流の社会派作品として昇華させている。

    一流のスタッフによるドラマ・シンフォニー

    市川氏以外にも大野武雄、宮下隼一、日暮裕一、峯尾基三、柏原寛司ら石原プロ作品の常連に、舘ひろし主演の『ただいま絶好調!』('85年)でメインライターを務めた折戸伸弘、香取俊介、ベテランの桃井章、大川タケシらが執筆。監督陣も小澤啓一、澤田幸弘、村川透ら重鎮に加え生前の石原裕次郎と親交が深かった斎藤耕一が石原プロ作品初参加。東映京都の西垣吉春もメガフォンを執り、作品世界の幅を広げていた。映画を意識した作品世界故か、他シリーズ以上にゲストキャストにも力が注がれ、坂上二郎、高木ブー、岸部一徳、ベンガル、小柳ルミ子、梅宮辰夫、河合奈保子、石川ひとみらスタークラスの俳優・歌手が続々と画面を彩った。極めつけは第36話の三浦友和、最終回の神田正輝だろう。特に最終回(第45話)の舘と神田の対決は迫力の映像を生み、本作の有終の美を飾っている。

    画面の外のもうひとつのドラマ

    レギュラーキャストで特筆すべきは当時『瓶の中の懲りない面々』(文藝春秋刊)で一躍人気作家、タレントとなった安部譲二(辰巳警察署署長・大島茂三警視役)だろう。独特の「バッカもん!」節で作品の味わいを深めていた。また、刑事ドラマには不可欠な“おやっさん”キャラは本作にも健在。名優・高松英郎演じる岩(ガン)さんこと岩田利夫刑事の存在感も忘れられない。 なお、本作出演途中で渡哲也氏の直腸がんが発病。だが渡氏は全話を務め上げ、直後に入院。見事病を克服し、現在に至っている。そんな作品内外でのドラマを念頭に置きつつ、我らが石原プロが1990年代初頭に放った意欲作をご堪能頂きたい。

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